こんにちは。
医療関係で仕事をしていると高齢者と関わることが多く、75歳以上の後期高齢者も珍しくありません。
その中でリハビリでは「こんな歳からやって力がつくの?」など筋トレについて疑問を投げかけられる場面を何度も経験したことがある方も多いのではないでしょうか?
その時に困った経験のある方、迷いながら答えている方は今日の内容を参考にしてもらえればと思います。
●結論
結論を先に言うと、「運動方法によっては効果あり」となります。
では、この結論までの詳細を見ていきます。
●文献
今回ご紹介するのは「Effects of Resistance Training on Muscle Size and Strength in Very Elderly Adults: A Systematic Review and Meta-Analysis of Randomized Controlled Trials(超高齢者における筋力トレーニングの筋サイズおよび筋力への効果。無作為化対照試験の系統的レビューとメタアナリシス)」です。
この研究は75歳以上の超高齢者におけるレジスタンストレーニングの筋サイズおよび筋力に対する効果を検討することを目的に書かれています。
では、詳細を見ていきましょう。
●方法と結果
過去の研究の中から超高齢者におけるレジスタンストレーニング(抵抗運動)後の筋力、ハンドグリップ後の筋力に対する効果を検証しています。
結果、75歳以上のグループにおいて、レジスタンストレーニングを行ったグループの方が筋力の向上を認めました。
また、80代以上の高齢なグループでも検証したようですが、そちらでもレジスタンストレーニングを行ったグループの方が筋力が向上したそうです。
一方、ハンドグリップの練習を行った方は有意に筋力が向上しなかったようです。
握力を鍛えるのは難しいのかもしれません。
●臨床場面でのモチベーション向上に使える
この研究からはレジスタンストレーニングが高齢者の筋力を向上させたとなりました。
実際の臨床場面では高齢者の筋力増強について懐疑的になる場面はありませんか?
「もう歳だから…」
こんな言葉はよく聞かれます。
しかし、研究結果から高齢者でもある程度の負荷をかければ、筋力が上がることが示唆されています。
75歳や80歳から力をつけるのは難しいです。
しかし、あきらめなくてもいいかもしれません。
こうしたデータもあることを伝えながら、患者さんや利用者さんのモチベーション向上につながるかもしれません。
モチベーションはリハビリ効果を出すために非常に重要です。
これからも高齢者が増える時代は続きます。
効果が出せるリハビリにできるように内容や伝え方にも注意していきましょう。
それではまた次回の記事でお会いしましょう。