作業療法つぶやきブログ

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現役作業療法士(OT)のブログ。不定期週1~2回12時更新。カテゴリー一覧はスマホの方はページ下部へどうぞ。

習慣化は意志ではなく設計で決まる~5つのポイント~

こんにちは。

 

前回、回復期から生活期に変わった時に活動を維持する難しさを取り上げました。

現場で働く方々も多く経験されていると思います。

今回は運動を習慣化するためのポイントを5つ挙げたいと思います。

 

① 小さすぎるくらい小さく始める

習慣化で最も多い失敗は、「頑張りすぎること」です。

例えば、

・毎日30分歩く
・スクワット50回
・ストレッチ20分

これは最初からハードルが高すぎます。

 

行動科学では続けるためには頑張りすぎないことが重要とされました。

例えば、

・椅子から3回立つ
・肩を5回上げる
・家の前まで歩く

これくらいでも構いません。

 

習慣化の初期段階では行動量より継続の方が重要だからです。

 

② 既存の習慣にくっつける

これは非常に効果があります。

人は新しい習慣を作るのが苦手です。

一方で、既に行っている行動は忘れません。

例えば、

・歯磨き後に立ち座り
・朝のコーヒー後に散歩
・テレビCM中に足踏み

などです。

 

行動科学では「Habit Stacking(習慣の積み上げ)」とも呼ばれています。

Habit Stackingは本にもなっていますので、興味のある方は読んでみてください。


 

 

 

訪問リハでも、自主トレ単独より、生活行為と結びつけた方が続く印象があります。

 

③ 「運動」を目的にしない

利用者さんは筋トレがしたいわけではありません。

本当にやりたいのは、

・買い物に行くこと
・孫に会うこと
・畑仕事をすること

です。

 

つまり、運動は目的ではなく手段です。

例えば、 足を上げる練習ではなく、スーパーを歩くための練習と伝えることでご利用者は意味を見出せるかもしれません。

 

意味がある行動は続きます。

意味がない行動は続きません。

 

④ 成功体験を見える化する

人は成果が見えないと続きません。

これは利用者さんだけでなく、

私たちも同じです。

例えば、

・カレンダーに○を付ける
・歩数を記録する
・外出回数を書く

などです。

 

リハビリで行っている場合、様々な評価も取ることができます。

BBSやSPPB、6分間テスト、FRTなど数値化されたものもあれば、歩行距離や歩行時間などでも評価できます。

そうした評価をとりながら、小さな成功を見える形にすると、継続しやすくなります。

 

⑤ 誰かと共有する

訪問リハで感じるのは、一人で頑張る人ほど続かないことがあります。

一方で、家族、友人、デイサービス、セラピストなど誰かに話す機会がある人は継続しやすい印象があります。

 

人は自分のためだけよりも、誰かとのつながりのための方が行動しやすいことがあります。

 

●まとめ

今回は習慣化のポイントとして

① 小さすぎるくらい小さく始める

② 既存の習慣にくっつける

③ 「運動」を目的にしない

④ 成功体験を見える化する

⑤ 誰かと共有する

を挙げました。

 

最終的に人生を変えるのは、1回のリハビリではなく、毎日の習慣です。

少しずつでもその方が変われるようにアシストしていきましょう。

 

それではまた次回お会いしましょう。

なぜ回復期の成功は生活期で続かないのか? ~ 現場で感じるリハビリのズレを考える~

こんにちは。

 

回復期ではできていたのに、退院後はやらなくなってしまう。
このような場面に、違和感を覚えたことはないでしょうか。

病棟内では自立していた歩行やセラピストとならできていた動作が生活期に入ると少しずつ失われていくのは少なくありません。

なぜこういったことが起こりやすいのか、今回は取り上げます。


●回復期でできる理由

回復期では

・環境が整っている
・スタッフが関わる
・実施する時間が確保されている

という特徴があります。

 

つまり、「できる」状態を作りやすい環境です。

実際、多くの方がこの環境の中で機能やADLを回復させていきます。

機能回復も伴い、やる気も上がりやすい時期でもあります。

 

一方で、退院後の生活期では状況が大きく変わります。

・見守る人がいない
・環境が整っていない
・習慣として定着していない

その結果、「できる」から「自分でする」への移行が起こりません。

さらに機能回復の時期も過ぎており、回復期の時ほどの身体機能の改善は少なくなります。

 

 

●FIMの点数はそのまま反映されない

回復期ではFIMの点数を上げるために病棟でできることを増やします。

しかし、それは整った環境で、人がいる環境で行われる動作です。

 

回復期ではFIMの点数に注目しますが、生活期で重要なのは「それを日常の中で続けられるか」です。

では、なぜ回復期でできていたことができない理由は環境のみにあるのでしょうか。

 

●なぜ続かないのか


大きな要因は3つあります。

① 環境依存の動作だった

病院ではできても、

・自宅ではスペースが違う
・手すりがない
・段差がある

ということが多くあります。

福祉用具をレンタル、住宅改修をしても病院と同じ環境は不可能。

このことから環境が変わると再現できないことが要因としてありました。

 

② 習慣化されていない

回復期では1日2~3時間、リハビリが用意されています。

また、食事の時の移動などでも杖歩行など課題が課せられることは少なくありません。

 

一方、生活期では自分でやらなければいけません。

人間、モチベーションを保ち続けるのは非常に難しい課題。

 

その結果、やらなくなることも少なくありません。

 

③ 意味づけが弱い

これが最も重要です。

なぜやるのか、何のためにやるのかが曖昧なままだと、行動は続きません。

 

●現場で感じること

自分のキャリアの中で、急性期、回復期、生活期を通じて感じるのは、回復期はできるを作り、生活期はいかに続けたり広げたりできるのかということです。

 

回復期での動作獲得はもちろん素晴らしいことです。

ですが、機能面を無視してとりあえず動作を覚えさせると、生活に汎化できません。

また、獲得するだけでは意味付けが弱いです。

 

重要なのは、最初から「生活で続く形」を意識することです。

 

自宅環境に近い条件で練習するのはもちろん、生活の中に組み込める動作にする
、本人にとって意味のある活動にするのが大切になるでしょう。

 

●まとめ

回復期での成功が生活期で続かないのは、

・環境の違い
・習慣化の不足
・意味づけの弱さ

といった要因が重なるためです。

 

リハビリのゴールはできることではなく、続けられること。

この視点を持つことで、回復期と生活期のズレは少しずつ埋まっていくのではないでしょうか。

 

それではまた次回お会いしましょう。

訪問リハビリの終了時期はいつ?目標達成できる人の特徴と判断のポイント

 

こんにちは。

 

訪問リハビリを行っていると、

・終了のタイミングがわからない
・どこで区切るべきか迷う
・なんとなく長期化してしまう

と悩むことはありませんか?

目標達成で終了できれば理想ですが、実際の臨床ではそう簡単ではありません。

この記事では、訪問リハビリのデータをもとに、終了時期の傾向と、終了しやすい利用者の特徴、判断のポイントを解説します。

 

●訪問リハビリはどのくらいで終了するのか

 

訪問リハビリ開始から6か月時点でのデータを見ると、

・要支援:約30%が目標達成で終了
・要介護:約20%前後が終了

要支援の方が終了しやすい傾向があります。

 

一方で、終了予定がない利用者は、介護度が高いほど増加しており、要介護3〜5では半数以上を占めています。

介護度が高いほど長期化しやすい構造が見えてきます。

 

 

●目標達成で終了できる人の期間

実際に終了した方のリハビリ期間を見ると、

・半年以内:約半数
・1年以内:約7割

となっています。

多くの方は1年以内に区切りがついている一方で、長期化するほど終了しにくくなる傾向があります。

 

 

●訪問リハビリが終了しやすい利用者の特徴

① 介護度が軽い

要支援の方は、自力で動ける範囲が広く、生活の中で活動量を確保しやすい特徴があります。

そのため、自主トレーニングや地域活動へ移行しやすく、終了につながりやすいと考えられます。

 

② 介入期間が短い

データからも、短期間で終了しているケースが多く、長く関わるほど終了しにくい傾向が見られます。

臨床でも、長期利用になるほど生活の一部となり、終了の話が出にくくなることがあります。

 

●訪問リハビリが長期化する理由

①生活の一部になってしまう

訪問リハビリが続くことで、「あるのが当たり前」になります。
その結果、終了のタイミングを見失いやすくなります。

 

②目標の再設定が繰り返される

担当者変更や身体機能の変化により、新しい目標が設定され続けると、終了のきっかけが作りにくくなります。

 

③リハビリへの依存

リハビリがある日は活動できるが、ない日は動かないという状態になると、生活の自立という点で課題が残ります。

 

●訪問リハビリの終了を判断するポイント

① 目標が達成されているか

ADLや生活課題が改善しているかを確認します。

② 自主的に活動できているか

リハビリがなくても生活が回る状態かどうかが重要です。

③ 環境が整っているか

家族の理解や生活環境が整っていると、安心して終了に移行できます。

 

●まとめ

訪問リハビリの終了には、介護度や介入期間、生活への依存度が大きく関係しています。

特に、長期化するほど終了しにくくなる点は重要です。

そのため、目標設定と定期的な評価を行いながら、自立を意識した関わりが求められます。

私自身も終了も意識しつつ、臨床に取り組みたいです。

 

それではまた次回お会いしましょう。

リハビリで患者さんが本音を話さない理由3つと傾聴のコツ【作業療法士向け】

こんにちは。

 

リハビリの現場で「患者さんがなかなか本音を話してくれない」、「会話が表面的で終わってしまう」、「こちらが質問しても『大丈夫です』で終わる」

そんな経験はありませんか?

作業療法士として働いていると、患者さんとのコミュニケーションに悩む場面は少なくありません。

評価や訓練技術ももちろん大切ですが、患者さんの本音を引き出せなければ、本当に必要な支援にはつながりにくいものです。

しかし関わり方を少し変えるだけで、患者さんとの会話の質が大きく変わることを何度も経験してきました。

今回は、患者さんが本音を話さない理由と、明日から実践できる傾聴のコツについてお伝えします。

 

 

患者さんが本音を話さない3つの理由

1.評価されていると感じている

リハビリの場面では、患者さんは常に「できるかどうか」を見られている感覚を持ちやすいです。

私たちは何気なく質問していても、患者さんにとっては「正しい答えを言わなければならない」、「できないと思われたくない」というプレッシャーにつながることがあります。

その結果、本音ではなく無難な答えを返してしまうのです。

 

2.正解を求められていると感じる

例えば「自主練習はできましたか?」、「昨日はどれくらい歩きましたか?」

こうした質問は必要ですが、聞き方によっては確認や評価として受け取られてしまいます。

 

すると患者さんは「できていないと言いづらい」、「怒られたくない」

と感じ、本音を話しにくくなります。

 

3.まだ信頼関係ができていない

患者さんが本音を話すためには、安心感が必要です。

こちらが「話を聞く姿勢」を示していても、患者さんが安心できるとは限りません。

特に入院直後や関わりが浅い時期は、患者さんも様子を見ています。

信頼関係は、短時間で築けるものではありません。

日々の小さな積み重ねが大切です。

 

 

作業療法士がやりがちなNGコミュニケーション

1.質問を重ねすぎる

会話を広げようとして質問を続けると、患者さんは尋問されているように感じることがあります。

質問は必要ですが、「答えやすい余白」を作ることも大切です。

 

2.すぐにアドバイスしてしまう

患者さんが悩みを話したとき、「こうした方がいいですよ」、「それならこうしましょう」とすぐに提案してしまうことがあります。

もちろん助言は必要ですが、まずは「気持ちを受け止める」ことが先です。

 

3.沈黙を埋めようとする

沈黙が続くと不安になり、つい話しかけてしまうことがあります。

しかし沈黙は、患者さんが考えている時間でもあります。

焦って埋めなくても大丈夫です。

 

患者さんの本音を引き出す傾聴のコツ3つ

1.沈黙を受け入れる

沈黙があっても急かさず待つこと。

これだけで患者さんが自分のペースで話しやすくなります。

沈黙を「失敗」と捉えないことが大切です。

 

2.気持ちを言語化する

例えば、「不安もありますよね」、「それは大変でしたね」と患者さんの気持ちを言葉にして返します。

 

すると「そうなんです」、「実は…」と会話が深まることがあります。

 

3.患者さんの言葉を繰り返す

患者さんが「家に帰っても迷惑をかけそうで…」と言ったら、「ご家族に迷惑をかけることが心配なんですね」と返してみます。

これは相手に「しっかり聞いてもらえている」という安心感を与えます。

 

●臨床で感じた“聞くこと”の大切さ

以前、訓練にはしっかり取り組まれるものの、どこか表情が硬い患者さんがいました。

私は当初、「モチベーションが低いのかもしれない」と考えていました。

しかしある日、訓練の合間に少し沈黙を挟みながら話を聞いていると「家に帰ったら妻に負担をかけるのが怖い」という言葉が出てきました。

 

この時、課題は身体機能だけではないと気づきました。

そこから家族との役割や生活の具体的なイメージを一緒に整理していくことで、訓練への取り組み方も変わっていきました。

患者さんの言葉の奥にある思いに気づくためには、技術以上に聞く姿勢が大切だと改めて感じた経験でした。

 

まとめ

患者さんが本音を話さないのは、話したくないからではありません。

・評価される不安
・正解を求められる緊張
・信頼関係の不足

こうした背景があることが多いです。

だからこそ、作業療法士には「話しても大丈夫」と思ってもらえる関わりが求められます。

傾聴は特別な技術ではありません。

少し待つこと。
受け止めること。
相手の言葉を大切にすること。

それだけで、患者さんとの関係は大きく変わります。

 

私自身もまだ試行錯誤の途中ですが、患者さんやご利用者との対話を大切にしながら、より良いリハビリの関わり方を模索していきたいと思います。

 

それではまた次回お会いしましょう

コーヒーは1日何杯が適量? ~高齢者が飲むときの注意点も~

こんにちは。

 

前回、コーヒーと筋肉量の関係について記事にしました。

コーヒーは日常的に親しまれている飲み物ですが、実際に飲むとなると「どのくらい飲んでいいのか」、「高齢者でも問題ないのか」と悩む場面は少なくありません。

今回は、臨床でも使える視点として、適量と注意点を整理していきます。

 

●コーヒーの適量はどのくらいか

Free Coffee Milk photo and picture

一般的に、健康な成人では、1日2〜3杯程度、カフェインにして200〜300mgが現実的な目安とされています。

この範囲であれば、過剰摂取のリスクを抑えつつ、覚醒作用や集中力の向上といったメリットを得やすいと考えられます。

 

一方で、4杯以上になるとカフェイン摂取量が増え、不眠、動悸、不安感といった症状が出やすくなるため注意が必要です。

どの食事や飲み物にも言えますが、適量は薬ですが、過剰摂取は毒です。

 

●高齢者は飲んでもよいのか

結論としては、状態に応じて調整すれば、基本的には問題ないケースが多いと考えられます。

 

むしろ適量であれば、

・日中の覚醒を保つ
・活動性を高める
・生活リズムを整える

といったメリットも期待できます。

ただし、高齢者では若年者と比べて影響が出やすいため、いくつかのポイントに注意が必要です。

 

●高齢者で注意すべきポイント

① 睡眠への影響

カフェインは覚醒作用があるため、夕方以降の摂取は不眠の原因になります。

加齢とともに睡眠は浅くなりやすいので、特に高齢者は特に注意が必要。

基本は午前〜昼までが望ましいです。

 

② 頻尿・脱水

コーヒーには利尿作用があるため、トイレ回数の増加、水分不足につながることがあります。
 水分摂取全体のバランスを見ることが重要です。

 

③ 循環器への影響

心疾患や高血圧がある場合、カフェインによって心拍数増加、血圧変動が起こる可能性があります。

持病がある場合は量を控えめにします。

 

●臨床での活かし方

単に「飲んでいい・悪い」で終わらせるのではなく、生活の中でどう活かすか

が重要です。

 

例えば、

・朝のコーヒーを活動のスイッチにする
・外出やリハビリ前の習慣にする
・家族とのコミュニケーションの時間にする

このように、行動と結びつけることで意味が生まれるでしょう。

 

もう一度まとめると、

・コーヒーの適量は1日2〜3杯程度

・高齢者においては時間帯、体調、持病に配慮すれば、生活の中に取り入れることは可能です。

 

また、大切なのは「量」だけでなく「使い方」。

コーヒーという身近な習慣も、工夫次第で生活の質を支える要素になるでしょう。

 

それではまた次回お会いしましょう。

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