作業療法つぶやきブログ

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現役作業療法士(OT)のブログ。不定期週2回12時更新。カテゴリー一覧はスマホの方はページ下部へどうぞ。

【文献】ポケモンGOは身体活動量を上げる?怪我のリスクは?

こんにちは。

 

スマートフォン向けアプリ、ポケモンGOのリリースから今年で7年。

移動しながら遊ぶアプリは当時は画期的でポケモン人気と相まって爆発的にヒットしました。

物議もかもしたポケモンGOですが、活動に与える影響はどうでしょうか?

 

●文献①

まずは「Impact of Pokémon Go on Physical Activity: A Systematic Review and Meta-Analysis(ポケモンGO身体活動への影響:システマティックレビューとメタアナリシス)」。

 

この文献ではポケモンGOのプレイヤーの身体活動への関与に注目してデータをとっています。

研究方法は2016年7月~2018年10月に出された論文から身体活動アウトカムを調べました。

対象者の総数は約33000人です。

 

結果、ポケモンGO利用者は歩行時間、歩行距離、歩数/日が増加し、座りっぱなしの時間が減りました

1日あたりの歩数は1446歩の増加だったそうです。

 

この運動量の増加を「控えめな増加」と研究ではされているものの、運動のきっかけとなる刺激の増加も効果があるとされました。

課題は最初はゲームにはまっても持続していけるかにあるようです。

 

●文献②

2つ目は「Healthcare Encounters for Pokémon Go: Risks and Benefits of Playing(ポケモンGOのためのヘルスケアとの出会い:プレイすることのリスクとメリット)」。

 

この文献ではポケモンGOを行った後の有害事象について調べています。

先ほどの文献が良い部分を調べたのに対し、こちらでは不利益がないかに注目。

 

222人のプレイヤーを調査し、147人が有益、75人が有害を報告しました。

有害事象のうち、約10%にあたる8名は骨折や頭部外傷などの重傷で、その半分の4名が入院を余儀なくされたそうです。

 

75人のうち、51人は筋骨格系または皮膚の損傷を訴え、いずれも症状は軽症でした。

一定数の怪我人や身体を痛める人はいたそうですが、これは他の軽度から中等度の屋外での身体活動に見られるものと同様の結果だそうです。

 

つまり、特別リスクが高い活動ではありません

そのため、この研究では「適切に使用すれば安全にプレイすることができ、身体活動の増加を必要とする人々に届いているのかもしれない」と締めくくられています。

 

 

いかがだったでしょうか?

歩きスマホ、ながらスマホをせず、止まった時に遊ぶなど適切な使用をすれば、運動効果としては良いとされたポケモンGO

皆さんや利用者さんが使用する場合でもルールを守って安全に使用しましょう。

 

それではまた次回の記事でお会いしましょう。