こんにちは。
リハビリテーションは回復期には1日3時間行います。
質など色々な問題はありますが、リハビリの量についての研究が出ました。
今回はその研究について取り上げます。
●文献
今回ご紹介するのは「Dose–response effects of resistance training on physical function in frail older Chinese adults(中国の虚弱高齢者の身体機能に対するレジスタンストレーニングの用量反応効果)というもの。
虚弱高齢者の筋力と体力に対する運動強度や運動量と健康との関係を調べるためにこの研究はされました。
この研究では年齢、性別、身長、体重、肥満度に有意差のない、7群をランダムに作り、運動強度を下記のように分けています。
①低強度中量群
②中強度中量群
③高強度中量群
④低強度高量群
⑤中強度高量群
⑥高強度高量群
⑦日常での運動のみ
これらの群に12週間レジスタンストレーニングを行い、筋力測定や6分間歩行テストでの体力測定を行っています。
では、結果はどうなったでしょうか。
●運動は多い方が良い
結果はレジスタンストレーニングの運動量は下肢の筋力、6分間歩行テストらの結果と相関していました。
また、レジスタンストレーニングの運動強度も下肢の筋力、6分間歩行テスト相関関係を示したようです。
この結果では運動量と運動強度は筋力や体力に関係し、またその絶対数が多いほど効果がありました。
●文献の結語
文献の結論はこちら
「レジスタンストレーニングは、虚弱高齢者の筋力および体力と用量依存的に関連することが明らかになった。虚弱高齢者の筋力向上には高強度のレジスタンストレーニングがより効果的であり、6分間テストの向上はさらに高かった。高容量のレジスタンストレーニングは筋力を有意に改善し、6MWTの成績はさらに改善した。運動強度と運動量の両方が虚弱高齢者の身体機能を大きく評価することがわかった。また、低強度レジスタンストレーニングと低強度レジスタンストレーニングは、虚弱高齢者における安全性、有効性、受容性の点でも優れていた」
この結果からリハビリの絶対量はいい効果をもたらすことが分かりました。
しかし、量だけを行うのは不十分。
低強度の運動のように安全面にも配慮した関わりができると、より良いようです。
いかがだったでしょうか?
今後、さらに深い研究はいるでしょうが、量は嘘をつかないようです。
ただし、この研究ではどの疾患にどの程度の強度の運動が良いのかまでは明記されていません。
今後の続報や疾患別の研究にも注目です。
過負荷に注意しつつ、できる限りのことを提供していきましょう。
それではまた次回の記事でお会いしましょう。