こんにちは。
私たちがよく使う評価フューゲルメイヤーアセスメント(FMA)。
特に病院では回復段階を知るために必ずとるところもあるかもしれません。
今回、FMAの回復段階が実際の動きとどうリンクするのか文献があったのでご紹介します。
●FMAとは
出典:https://co-medical.mynavi.jp/contents/therapistplus/kokushi/drill/4453/
まず、FMAのおさらいです。
FMAとはFugl-Meyer assessmentの略称で、脳卒中後の評価として使用されます。
項目は①運動機能とバランス(上肢・下肢)、②感覚、③関節可動域/関節痛の3つ。
全体の合計点は226点で、上肢と下肢の運動機能の合計は100点です。
点数が低いほど、機能障害が重症であることを示し、作業療法場面では上肢の部分だけ評価として使われることが多くあります。
●文献
今回の文献は2022年に出された「Muscle synergy analysis yields an efficient and physiologically relevant method of assessing stroke(筋の相互作用解析により、脳卒中の効率的かつ生理学的な評価方法が得られる) 」というもの。
方法としては健常者と脳卒中後の片麻痺患者、それぞれ上半身の筋肉41個に筋電図計を取り付け、FMA実施時の筋活動を評価しました。
●結果
FMA実施時、健常者群では肩、肘、手首、指など動かす部分の筋肉が個別に反応していました。
しかし、脳卒中患者群では筋を動かす際に分離が不十分で、多くの筋が作用しあって反応したそうです。
共同運動パターンなど臨床現場では多く経験することからもこの結果は納得のいく療法士も多いかもしれません。
ただ、この文献にはもう1つのことが結果としてあげられていました。
それが体幹。
健常者群では体幹の安定性や体幹後面の反応が上肢近位部の運動でも上肢遠位部の運動でも一定量みられたようです。
しかし、脳卒中患者群ではこの反応が低下していました。
この結果から言えるのは上肢を動かす際にキーになるのは体幹ということです。
兼ねてから高草木先生の論文からも網様体脊髄路の重要性は言われていました。
この文献でも同様の結果が出ており、上肢へのアプローチをする際は体幹へのアプローチも同時に行うことが欠かせません。
いかがだったでしょうか?
FMAを用いた論文を今回はご紹介しました。
当たり前と思った方もいたかもしれませんが、再度認識を持ってもらい、臨床に活かしていきましょう。
それではまた次回の記事でお会いしましょう。