作業療法つぶやきブログ

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現役作業療法士(OT)のブログ。不定期週2回12時更新。カテゴリー一覧はスマホの方はページ下部へどうぞ。

池袋暴走死傷事故 民事訴訟 第1回口頭弁論

こんにちは。

 

過去に何度か取り上げた池袋暴走死傷事故ですが、2月9日に損害賠償請求を求めた民事訴訟の第1回口頭弁論が行われました。

刑事裁判の第4回・第5回公判については一番下に過去記事を載せおくのでご参照ください。

 

今回訴訟を起こしたのは刑事裁判が長引く可能性があるため、真実を知る一つの方法とのことです。原告は遺族ら9人で1億7000万円を請求しています。

 

今回も話題になったのは飯塚被告側が請求棄却を求めた点です。刑事裁判同様に争う姿勢なんです。

一点だけ注意してもらいたいのは被告側も賠償責任を負うこと自体は認めているという点です。つまり、尊い命を二つも奪ってしまったことに対してお金をいくらか払うということは承諾しています。当たり前なんですけどね。

ただし、訴訟内容自体は棄却を求めています。民事裁判では請求を認めるとそこで結審と同等の効力を持つ調書が出来上がるようです。つまり、請求を棄却しない=請求を認める=自分の過失で事故を起こしたということを認めるに近い形になるということです。

 

現在、進行している刑事裁判では過去の公判の通り、一貫して車の不具合を主張しています。ご遺族は真実を知る方法として民事訴訟を起こしましたが、今のところ本人から真実が語られる可能性は薄いということですね。

 

今までの流れだと被告側は「結果として尊い命を奪ってしまいました。お金もいくらか払います。でも自分のミスではなく、車の不具合で起こったことなので、仕方なかったんです。」という様な言い分をしているように聞こえます。

これで誠意ある対応と言えるでしょうか?これでご遺族の心の傷が少しでも癒えるでしょうか?

ご遺族の納得のいく「真実」を被告側から語ってもらえることを願います。

 

最後に妻子を亡くした松永さんの意見陳述の一部を抜粋します。

貴重な陳述のお時間を頂きましたが、どれだけお話をさせていただいても、何分時間を頂いても、語りきれません。私にとって、2人と過ごした思い出は夢のようで、あまりにも愛にあふれた幸せな日々でした。何に代えてでも守りたかった大切な命でした。今も2人を愛しています。だからこそ、今この現実が苦しいです。それでも、一生2人への愛は忘れません。

 

この後、松永さんは奥様との出会い、子どもの誕生の話などをされます。

その後、あの日の事故について語られました。更に事故の話の後、この様に続けます。

 

あんなにいつも一緒にいた2人が、最後の最後に離れ離れになってしまった。どれだけ無念だっただろうか。どれだけ怖かったのだろうか。守ってあげられなかった。「生きている意味がない。自分も死のう」と思いました。しかし、愛する2人の命だからこそ無駄にしたくない。そう思うようになり、事故から5日後、記者会見で交通事故の悲惨さを訴えました。

それからの生活は、悲嘆と葛藤と苦悩の日々でした。なぜ生きるのか。自分に問いながら、今でも2人への愛を胸に秘め、交通事故撲滅の活動を続けています。しかし、この心の傷が元に戻ることはもうないでしょう。今の私の率直な想いを述べさせていただきました。

最後に今回真実を知るための方法として民事訴訟を起こしたことを語られました。

 

私自身は冒頭の「2人と過ごした思い出は夢のようで、あまりにも愛にあふれた幸せな日々でした。何に代えてでも守りたかった大切な命でした。」という言葉と

あんなにいつも一緒にいた2人が、最後の最後に離れ離れになってしまった。どれだけ無念だっただろうか。どれだけ怖かったのだろうか。守ってあげられなかった。」に胸を打たれました。

私にも妻と娘がいますが、本当に何に代えてでも守りたいものです。また、私の妻も娘とべったりで仕事の時以外は離れることを嫌います。小さな娘も妻とよく遊んでいます。それが事故で引き裂かれてしまった。

筆舌に尽くしがたい辛さだと思います。

 

松永さんはじめ、ご遺族は辛い中、真実と向き合おうと必死で闘っています。1億7000万円もらっても亡くなられた方は帰りません。お金がどうこうではなく、しっかりとご遺族の気持ちに被告側が向き合ってほしいです。

 

ではでは。

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