こんにちは。
2021年7月15日、池袋暴走死傷事故の飯塚被告に検察は禁固7年を求刑しました。
90歳という年齢を考えると最期まで刑務所で過ごす可能性がある重罪のようにも感じましたが、2人の尊い命を奪い、9人もの重軽傷者を出した事故を考えると軽いと言わざるを得ません。
最後に弁護人や飯塚被告が語ったことやご遺族が語ったことを見ていきます。
●弁護側の最終弁論
まず、弁護人の話の前に検察の主張としては以下のものがありました。
・アクセルが最大限踏み込まれ、ブレーキが踏まれた痕跡がない
・電気系統の異常なし
・車が半年に一回程度点検に出され、最新の検査でも異常がなかった
・その前のカーブではブレーキを踏んで減速もできていた
・過去10年弱で5回の物損事故を起こすなど、運転能力の低下があった
このように客観的な証拠です。
その上で「車を運転しないと生活できない状況ではなかったにも関わらず、個人の利便性を優先させた結果、事故を起こした」と指摘しました。
一方で弁護側はこうです。
・事故原因は電気系統の異常(証拠なし)
・事故後の報道やSNSの投稿では、事故原因が踏み間違いによるものとされ、社会的制裁を受けた
・身体拘束がないことへの不満や疑念を示すものが多く、不当な物言いをされ、今でもデジタルタトゥーとして残り続けている
・氏名不詳者からの脅迫や自宅への街宣があり、苛烈な社会的制裁を受けた
減刑に持っていこうとしたのでしょうか?
客観的な証拠がなく、社会的制裁という言葉を盾に感情論に持っていこうとしている気もします。
確かに痴漢などであれば、会社を解雇されるなどは社会的制裁と裁判で言われることがあります。
脅迫は論外ですが、SNSなどで書かれたことが本当に社会的制裁と呼べるまでの扱いだったのでしょうか?
結局、「上級国民」という印象をぬぐえるほど、留置所にもいかないなどの対応は国民が納得できるものではなかったことは確かです。
●飯塚被告の主張
そのまま見ていきます。
「ご親族の気持ちを先ほどからいろいろとお話頂いて、心苦しい思いでいっぱいです。しかし、これまでの裁判で話した通り、アクセルとブレーキを踏み間違えた記憶は全くございません。今もそう思っております。
結果論ではありますが、もう少し早く運転をやめておけばよかったと、今は反省しています。真菜さんと莉子さんのお二人が亡くなられたことは、本当に、本当に、申し訳ないと思っております。これからもお祈りを続けたいと思います。けがをされた方も、早く回復されるよう願っています」
反省や謝罪を口にする一方で、最後まで踏み間違いはなく、自己に過失はないという主張は変わりませんでした。
これではご遺族がより心を痛められるのも当然です。
表には出ませんが、亡くなられたお二人以外の9人の被害者の方々も辛い思いをされているのではないでしょうか?
全く反省しているようには聞こえません。
上っ面だけの薄っぺらい謝罪に感じて当然です。
●ご遺族の会見
真菜さんのご家族、ご主人やそのご家族が語られたことに関してはこちらをご参照ください。
全文見て頂けるのが、いいかなと思います。
心情に関する意見陳述 全文 [2021.07.15] | 池袋暴走死傷事故 遺族のブログ
【池袋暴走事故公判結審詳報】(1)被害者父が陳述「真菜は私にそっくりでした」 - イザ!
今回の裁判でご遺族は心を踏みにじられたと語りました。
自分がご遺族の立場ならそう感じると思います。
今回の裁判では求刑通りの刑が出ても、飯塚被告らが控訴して時間稼ぎをしないことを願います。
刑事裁判が9月に終わったとしても、民事裁判はまだ残っています。
刑事裁判が終わっていた場合(終わっていないと主張はおそらく変わらないので終わった場合と書いてあります)、飯塚被告が態度を改め、こちらでは罪を認め、ご遺族や被害者に心からの謝罪をすることを願います。
また、私も松永さんのブログや動画を改めてじっくりと拝見させて頂きます。
拝見させて頂き、また感じたことなど記事で書こうかなと思います。
ではでは。