作業療法つぶやきブログ

作業療法つぶやきブログ

現役作業療法士(OT)のブログ。不定期週2回12時更新。カテゴリー一覧はスマホの方はページ下部へどうぞ。

【リハビリ】次世代の回想法ツールが出てくるかも

こんにちは。

 

先日行われた、LEXUS DESIGN AWARDでRewindというものがグランプリを獲得しました。

LEXUS DESIGN AWARD自体、初めて耳にした方も多いかもしれませんが、今回のRewindは次世代リハビリ支援ツールとしても注目されています。

今回はRewindについて取り上げます。

 

LEXUS DESIGN AWARDとは

出典:https://www.axismag.jp/posts/2022/05/469073.html

RewindはLEXUS DESIGN AWARD 2022でグランプリを受賞した作品

LEXUS DESIGN AWARDは車で有名なレクサスが手掛ける、クリエイターを育成・支援するコンテストです。

 

このコンテストはLEXUSが掲げる3つの基本原則「Anticipate(予見する)」、「Innovate(革新をもたらす)」、「Captivate(魅了する)」をテーマに入賞やグランプリが選ばれるようですね。

 

今回からは新しく「Enhance Happiness(そのアイデアがいかに人々に幸せをもたらすか)」が追加され、特にグランプリ作品のRewindでは最も具現化されたと評されていました。

 

●Rewindとは

出典:https://www.axismag.jp/posts/2022/05/469073.html

Rewindはシンガポールのポー・ユン・ルーさんが作成したものです。

1726作品の中から見事にグランプリを獲得しました。

 

Rewindは手に持ったデバイスによる動作が、ペアリングされたモニター上に視覚的・聴覚的なフィードバックとして反映され、記憶が想起されるとされています。

従来の回想法は実物やパソコン、DVDなどで行うことが多いです。

 

Rewindは日常生活において慣れ親しんだ動作を、デジタルデバイスを用いて再現することで、認知症高齢者の記憶を呼び起こすことを目指す、新しいリハビリテーション支援ツールとしてアイデアが高く評価されました。

 

現在の高齢者の方々にはなじみのないデジタルデバイス

しかし、何年後、何十年後に高齢者となる世代はスマホなど様々なデジタルツールに触れあっています。

今はなじみがないものでも、これからの人にはなじむ画期的な商品として誕生してくるかもしれません。

 

今後実用化されるのか注目していきたいですね。

 

それではまた次の記事でお会いしましょう。

【作業療法】OT協会 データベース研究とは

こんにちは。

 

作業療法士などリハビリ職種は学会発表に向けて資料を作成することがあります。

しかし、論文のレベルまで書いたことがある人は少ないのではないでしょうか?

今回はそんな文献を仕上げる一助になるかもしれない作業療法士(OT)協会データベース研究について取り上げます。

 

作業療法士(OT)協会データベース研究とは

person holding blue and white plastic bottle

近年、介護報酬や医療報酬でOTの必要性を要望する際、根拠となるエビデンスが求められてきました。

そのため、OT協会は国の要望に応じたエビデンスを構築するための研究体制を整備しています。

 

そこで、広く研究協力施設を募集し、研究をサポートしながら論文を作成し、エビデンスを構築していくこととなったようです。

●内容

Free photos of Hospital

今回対象となるのは身障・老年期領域

RCTなど高度な研究をしていく予定もあり、個人より施設単位で登録して申し込んでいくことになりそうです。

 

身障領域では急性期病院、回リハ、地域包括ケア病棟、クリニックなどが対象で心大血管や脳血管、運動器などで算定を行っていれば、登録できます。

ほとんどどの施設でも登録はできそうですね。

 

一方、老年期では認知症の初期段階に関わる作業のエビデンス構築が目的。

通所リハ、訪問リハ、老健通所介護など様々なところが対象とはなっていますが、あくまで対象者が認知症であるため、例えば、訪問看護ステーションで脳血管のリハビリをしている方々での研究はフォローの対象外となりそうです。

老年期では活動範囲がまだ限られますね。

 

また、身障領域では研究協力者のPECO作成から論文執筆までフォローしてくれるなど手厚いフォローが受けられます。

 

●今後

baby in bassinet

今回フォローされていない精神分野や発達分野

こちらについても今後、フォロー体制が入るかもしれません。

ただし、こちらの分野はOT協会に所属していないセラピストも多く見かけるので、どうサポートしていくのかが課題です。

 

老年期の対象範囲拡充も今後行われるかもしれません。

いずれにしても学会発表など小さなことから「エビデンスを明確にする」ことは重要になりそうですね。

 

いかがだったでしょうか? 

医療の現場ではエビデンスが求められる場面が多く、エビデンスが診療報酬に関わることも少なくありません。

作業療法士理学療法士などと同じく、将来飽和してくるのではとも言われています。

自分たちの仕事を守るため、患者さんや利用者さんをより良い人生を送ってもらうためにしっかりとこうしたものも利用していきたいですね。

論文はしんどいと思う方はまずは学会発表やOT協会の事例登録から始めましょう。

rihaot.hatenablog.com

 

 

では次回の記事でお会いしましょう。

【お金】値上がりで困るもの~皆が選ぶ第1位は~

こんにちは。

 

ロシアのウクライナ侵攻が開始されてから、ものの値段が上がっています。

このインフレは家計にインパクトが大きく、特に給与水準に満足していない人も多い、リハビリ職の方の家計にも大打撃ではないでしょうか?

値段が上がっている中でも皆さんはなにがこたえますか?

今回は、鹿児島の南日本新聞を参考に自分以外の方がどのようなインフレが痛いと感じているのか、3位から見ていきます。

 

●第3位 光熱費

第3位は光熱費。

特に皆さんが打撃をこうむっているのは電気ではないでしょうか?

 

例えば、東京電力では1kWhあたりの電気代がこの様に推移しています。

2022年4月最新】年々電気料金が上がり続けているのはなぜ?気になる背景とこれからの対策 | 【公式】TERASELでんき総合情報メディア

出典:https://www.terasel.jp/media/milestone/why-does-the-electricity-bill-keep-rising/

東日本大震災後、2015年に高値を付け、一旦低下しましたが、徐々に高騰してきており、2022年2月のウクライナ情勢で一気にインフレが加速しています。

 

5月分の電気代 ガス代も値上がり 電気代は過去5年間で最高水準 | NHK | ウクライナ情勢

出典:https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220330/k10013559171000.html

このように電気料金は2021年より2022年でかなり上がっています。

新電力も撤退が相次ぎ、非常に消費者にとってもつらいフェーズですね。

 

ちなみに石油ショックでは1kWhあたり29円程度まで上がったそうです。

石油ショックよりも高くなるのもそう遠くないのかもしれません。

 

●第2位 食費

第2位は食費。

インスタント麺、パンなどなど様々なものが値上げされたり、値上げ予定となっています。

食費は確実にかかるものなので、切り詰めていくのは大変で、限度もあります。

第2位という事で非常に多くの方が困っていることが分かります。

 

●第1位 ガソリン代

第1位はガソリン代。

都会の方にとってはあまり影響はないかもしれませんが、新聞がアンケートをとった場所は車が必須の場所のようです。

私のところ含め、田舎は必須のところが多いですよね。

 

街の声でも

「仕事、買い物、子どもの送迎と、車がないと何もできない」

「会社の交通手当では赤字」

「ガソリンは月3万円以上。生活がひっ迫している」

と悲痛な声が多いです。

 

では、これらの値上がりに対して節約したりして対策していることはなにでしょうか?

 

●節約しているものは?

順位はこの様になります。

1位:外食・レジャー

2位:食費

3位:衣料品

 

すぐできて効果があるものが上位にきていました。

どこの家庭でも旅行などお金のかかることは比較的、避けられているようですね。

 

ただし、節約だけでは限界があります。

もし、収入に不満があるなら、副業・転職も検討しましょう。

rihaot.hatenablog.com

rihaot.hatenablog.com

 

いかがだったでしょうか?

様々なものの値上がりは辛いですが、今は耐える時期です。

少しでも事態が好転できるように自分にできることをコツコツとしていきましょう。

 

それでは、また次回の記事でお会いしましょう。

【感染】子どものマスク緩和方向へ~日本の未来のために~

こんにちは。

 

感染対策で必需品となったマスク。

公共施設でしていない人はほとんどいないほど普及しました。

しかし、最近は子どものマスク着用をなしにする動きが出ています。

なぜそのような動きがあるのか見ていきます。 

 

●山際経済再生担当相の発言

今回注目を集めたのは山際経済再生担当相の全国知事会とのビデオ会議の時の発言。

子どものマスク着用のありかたについて、科学的な知見に基づいて議論していかなければならないとの認識を示した上で、「社会を守るために、子どもたちにも我慢してもらうということではない。そういう状況をこれからつくっていかなくてはいけない」と発言しました。

 

では、マスク着用は長期的に見て、どのような影響があるのでしょうか?

 

●マスクによる弊害

・感受性の低下

就学前の幼児期には「感受性期」と呼ばれる環境に左右されて発達する時期があります。

英語など第2言語を早くから学ばせた方がいいのも、この時期に英語に触れるとその言語の感受性が上がり、今後の学習に役立つからです。

反対にこの時期に必要な刺激がないと、後で発達することが難しくなってしまいます。

 

感受期の子どもたちはダイナミックに動く他者の表情全体を目にしながら、相手の顔を認識したり、その人の感情を理解したりする能力を発達させていくとされています。

口元の動きも大切でマスクの使用がこうした発達を阻害してしまうんですね。

 

「眼だけでも表情は読める」と主張する大人がいますが、それは私たちが小さいころから表情を読み取ってきたから。

感情の読み取り、口の動きから言語を学習する機会が子どもたちから奪われてしまうかもしれません。

 

イタリアの研究ではマスクをしていると特に3~5歳の子どもたちが大人と比べて感情の読み取りができないというデータもあるようです。

 

・コミュニケーション能力の低下

感受性が鈍くなると他人との距離感が分かりません。

いわゆる空気を読めない状態になってコミュニケーションが図れず、集団で孤立していく恐れもあります。

 

特に思春期は空気を読めないと疎外感にさらされたり、いじめの対象になったりと非常に難しい時期です。

マスク使用が子どもたちが少し大きくなった時に大きな問題を引き起こすかもしれませんね。

 

・マスク依存

マスクがあると人間はその下に理想の顔を想像すると言われています。

また、鼻や口にコンプレックスがあると、マスクでその部分を隠せます。

 

マスクを多用することで「マスクなし=自信がない、恥ずかしい」というような思い込みが出てくる恐れがあります。

私たち大人はマスクなしで学生時代を送った人間も多いですが、外して人と会う機会が少ないと外すとガッカリされたらどうしようなど考えて動けなくなってしまう人が出てくることも。

 

マスク依存の状況を作らないためにも素顔に触れる機会は必要です。

 

いかがでしたか?

子どもは未来の宝です。

その子どもたちが感受性に問題を抱え、他人と行きにくい世の中になるのは子どもにとっても、私たちにとっても、日本や世界で見てもマイナスです。

感染というリスクと天秤にかけ、どのような場面では外していくのかなど、検討が進んでいくといいですね。

 

それでは、次回の記事でお会いしましょう。

【リハビリ】在宅での疼痛緩和にVR!?

こんにちは。

 

リハビリを行う上で阻害因子となる疼痛。

そんな疼痛をバーチャルリアリティ(VR)で緩和してリハビリに繋げようという試みが行われています。

今回は三重大が行っているその取り組みについてご紹介していきます。

 

VRの効果


 

まずVRの効果ですが、「Virtual Reality interventions for acute and chronic pain management(急性および慢性疼痛管理のためのバーチャルリアリティによる介入)」という文献で鎮痛作用について、有効な可能性があるというデータが示されています。

 

また、ロサンゼルスにあるシーダーズ・サイナイ病院が2017年3月に発表した入院患者100人を対象とする調査では、患者50人にVRヘッドセットで心を落ち着かせる動画を見せたところ、患者が訴える痛みの評価指標が24%減少したとされました。

他の患者50人には、2Dでリラックスできる自然風景の動画を近くに置いたスクリーンで見せましたが、痛みの指標は13.2%しか減少しなかったそうで、VRとの差が示されています。

 

こうした研究からVRの鎮痛作用に注目が集まってきました。

では、日本ではどうなのでしょうか?

 

●三重大によるクラウドファンディング

日本では研究の一つとして三重大が行っているものがあります。

その中で100万円のクラウドファンディングがありました。

 

元々、三重大では専用のVRゴーグルを使用した鎮痛効果の研究がなされていたようです。

ですが、助成金には上限があるため、クラウドファンディングにより助成金で賄えなかった市販のVR機器の購入を行い、臨床研究を進めていく予定となっています。

 

そして、クラウドファンディングは無事金額がクリアされ、VR機器5台など研究へ向けた必要設備の購入を以って2022年3月31日をもって終了しています。

 

●今後

今後の研究展開ですが、最終目標は「在宅看護など、さまざまな場面で活用していくこと」。

病院だけでなく、自宅でもVRを用いて、疼痛緩和やモチベーション向上を図り、リハビリ効果の向上などが図られる時代がやってくるかもしれません。

 

ちなみに疼痛緩和の理由は明確には分かっていません。

ですが、有力な説として「脳は非常に複雑なので、仮想現実のようなものが効果を発揮している仕組みを正確に突き止めるのは難しい」というものがあり、単純に気をそらすことが効果を発揮していると考えられているそうです。

つまり、脳はVRからの信号を処理するのに手一杯で、痛みなどのほかの信号を処理する余裕がなくなり、痛みを感じにくくなるというものですね。

理由が分かると適応できる方が分かるので、こちらについても今後研究が進んでほしいところです。

 

 いかがだったでしょうか?

高齢者の方々がどれだけVRに馴染んでくれるのかは分かりませんが、もし効果が実証できてくればリハビリ前の自主トレにVRなんてこともあるかもしれませんね。

自分もあまり馴染みはないですが、自分が高齢者になる時代には色々と変化があるかもしれません。

三重大の動きに注目したいですね!

 

それではまた次回の記事でお会いしましょう。