作業療法つぶやきブログ

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現役作業療法士(OT)のブログ。不定期週2回12時更新。カテゴリー一覧はスマホの方はページ下部へどうぞ。

プロ野球界での理学療法士の重要性~阪神・岩貞投手の発言から~

こんにちは。

 

スポーツの現場で働く理学療法士

もしかしたらその門が更に大きくなるかもしれません。

今回はそうした話題をお届けします。

 

プロ野球界で働く理学療法士の役割とは

スポーツトレーナーとして働く理学療法士の役割は主に3つと言われます。

①コンディショニングトレーナー

コンディショニングトレーナーは選手のコンディション向上の手助けを仕事にします。

具体的には骨格や筋バランスのデータを参考に選手に適したトレーニングを指導します。

コンディションが整うと、プレーの質が高くなることや怪我の予防にも繋がります。

プロ野球は半年以上試合を続けるタフな仕事。

試合で安全かつ質の高いプレーをするためにも、コンディショニングトレーナーの支援は重要です。

 

アスレティックトレーナー

アスレティックトレーナーは選手の怪我といった問題の解決が専門。

例えば、怪我をした選手の応急処置や、怪我の予防についての情報提供や指導をすることがアスレティックトレーナーの仕事です。

コンディショニングトレーナーとも重なりますが、日々の選手の健康管理のチェックもアスレティックトレーナーの仕事です。

 

③メディカルトレーナー

メディカルトレーナーは怪我をした選手のケアから復帰までトータルサポートが専門。

メディカルトレーナーは医師の診断をもとに選手の怪我を治療します。

常に医師との連携が求められ、通常の理学療法のイメージに近いかもしれません。

 

●現場で働く理学療法士の声

①ロッテ:入谷守さん

入谷さんは2022年からロッテのトレーナーとして働いています。

2020年に理学療法士の資格を取得した若い方ですが、医師の紹介でロッテで働くことになりました。

 

2022年の講演では「選手より先にグラウンドに入り、ケアの準備だけでなく、練習の手伝いもしています」と現場の様子を話しています。

また「練習の時も試合中も各選手の体の状態を注意深くチェックし、その日のコンディションにあわせた治療を施します。それぞれの選手の症状に適した手技を実施しています。専門知識、技術だけでなく相手に信頼してもらえる人間性が求められます」と理学療法士の実務を明かしてくれました。

 

病院でも施設でもスポーツでも相手の信頼を得るのは非常に重要になりそうです。

 

②日ハム:高橋知幹さん

高橋さんは2017年に母校でスポーツトレーナーとしての実情を話しました。

高橋さんは患部だけでなく、「身体の動き」、「選手自身が感じる痛み」、「選手の筋力・柔軟性」を関連させながら不調の原因について仮説を立てられるのが、理学療法士の強みと話されています。

 

また、将来スポーツトレーナーとして働きたい学生たちに対し、「まず医療現場で、患者さんをみる経験を積むのが大事。その経験がアスリートをサポートするための基礎になります。そして、ボランティアでアマチュアや中高生のスポーツチームに関わる等、スポーツ関連のつながりを作りながら機会を待ちましょう」と激励しました。

 

過去には文献で「日本プロ野球球団における理学療法士の役割」という文献が出ており、その中で多くのトレーナーが「選手の障害発生後及び手術後早期にかつ安全に練習・ゲームに復帰させる事と障害予防・再発防止」が一番求められるとしていました。

 

阪神・岩貞祐太の話

理学療法士増員を提案したのは、2023年に38年ぶりの日本一に輝いた阪神の中継ぎとして活躍する岩貞投手。

岩貞投手は契約更改時「調整方法をもう少し相談できる方がいれば、コンディションを落とさずにいける気もした」と理学療法士の重要性を球団に訴えています。

 

阪神は2023年時点で、一軍に1人、二軍には2人、理学療法士が所属しているそうです。

岩貞投手は左肩の不調で二軍落ちした際、理学療法士と細やかなコミュニケーションをとっていたそうで「理学療法士が増えれば野手も若手の子も遠慮なく言えるところが増える。もっと選手がコンディションを整えやすくなると思う」と球団に話しました。

 

2024年から一軍の理学療法士が増えれば、岩貞投手が訴えてくれたおかげで、ここで理学療法士が結果を出せば、他の球団も理学療法士を今より雇う可能性が出てくるでしょう。

 

医療保険介護保険で働くには人数が増えすぎた理学療法士

こうした別分野での活躍の幅が広がると未来も明るいかもしれません。

他のプロスポーツからもこうした声が増えるといいですね。

 

それではまた次回の記事でお会いしましょう。