こんにちは。
2023年10月、「消防団員の報酬1年半未払い」という記事が話題になりました。
問題の多く残る消防団。
今回はその問題について取り上げます。
●福島県南相馬市消防団
トラブルに巻き込まれたのは、40代の団員で、この団員は一時は別のところで働き、21年4月に入団しました。
男性団員は半年に1度の訓練や年初の出初め式などに参加した他、地震や大雨で要請があれば危険箇所の見回りなどの活動で出動。
南相馬市の一般団員の年額報酬は21年度までは2万7000円で、22年度以降は3万6500円でした。
しかし、2021年度分が支払われないため、男性は市に相談。
実は2021年までは報酬の個人支給ではなかったため、市は「22年度からは個人に直接支給されるが、21年度分は分団に振り込んでいるので、分団に聞いてほしい」と答えます。
●分団に聞いてみた
男性団員が副分団長に確認に行くと「消防団はそういうものだ」と言われ、足蹴りにされてしまいます。
すると、今度は複数の先輩が男性団員を呼び出しました。
男性団員はこの時、音声を録音できるようにしており、先輩から出た言葉は以下のようなことでした。
「俺は30年間一度も報酬が出たことがない」
「報酬というのは消防団に預けている。何かの時にジュースを買ったり、ご飯を買ったり、予備費という感じになっている」
「列からはみ出るようなら辞めてもらうしかない」
「昔から余ったお金を消防団に残して、コロナになる前は2年に1回くらい旅行に行っていた。その時に行き先で何かを買ったり、飲み物、ビールとかさ。1回目の宴会でお金を払うとかさ」
「これでも嫌なら、悪いんだけど辞めてくれとしか言いようがない」
結果、男性団員は22年6月に退団し、市長あてに嘆願書を出して23年9月に21年度の報酬が支払われたそうです。
●今回のケースは氷山の一角
今回のケースは残念ながら氷山の一角にすぎません。
消防団の報酬は個人支給とされながらも、手間や費用を理由に分団支給となっているところも少なからずあります。
個人支給であっても、運営費として全額徴収されるところもあります。
残念ながら消防団の古い気質は簡単には変わりません。
操法大会についても昨今話題となっていますが、見直すべきところを見直さないと、団員数減少の問題は解消されていきそうにありません。
それではまた次回の記事でお会いしましょう。