こんにちは。
今回は島津製作所が開発した「高精度のアルツハイマー病変(アミロイド蓄積)検出法」について取り上げます。
将来認知症になるかどうかが予言される時代が来るのでしょうか?
見ていきます。
●アルツハイマー型認知症おさらい
アルツハイマー型認知症は認知症の中でも一番多いタイプの認知症で、原因は未だ解明されていません。
しかし、進行に伴っていくつかの特有の病変が見られることがわかっており、その一つが「アミロイドβ」。
これは神経細胞の外側でアミロイドβが蓄積すると老人班を形成し、徐々に脳萎縮が始まるとされています。
このアミロイドβが溜まり始めるのはなんと認知症になる20~30年前。
他にも神経細胞の中では「タウタンパク」が蓄積してタンパク質が糸くず状に変化したようなものが見られることもあります。
今回、注目されたのはアミロイドβに対する検出法でした。
●高精度のアルツハイマー病変(アミロイド蓄積)検出法とは
出典:https://www.shimadzu.co.jp/sustainability/approach/efforts/activities/2018_f1.html
アミロイドβの蓄積の判定方法ですが、診断の手段はPET検査か髄液検査といった高価、あるいは侵襲性が高い方法となっていました。
そんな中、2014年、国立長寿医療研究センターと島津製作所の研究グループは、IP-MS法という血漿中の微量なアミロイドβ関連ペプチドを測定する方法を発見。
この方法により、脳内アミロイドβ病変を正確に捉えられる可能性があることが分かります。
この方法により、わずか0.5mlの血液からアルツハイマー型認知症になる可能性が分かるようになり、今まで大変だった検査からかなり簡単な方法で可能となりました。
2018年には医療機器承認を取得するなど、より実践的な動きが出ています。
●今後重要になることは
血液で認知症リスクが分かると、重要になってくるのが、発症予防。
現在、認知症初期集中支援などが広がってきていますが、今後はこうした活動がより必要になるかもしれません。
軽度認知障害であるMCIの方にしているような事業ももっと前に行い、MCIの状態になることも予防していく時代が来るかもしれません。
リハビリはそうした世界でうまく予防事業に関与できるでしょうか?
うつりゆく世の中の流れをうまく捉えながら活動していきたいですね。
それではまた次回の記事でお会いしましょう。