こんにちは。
医療人が当たり前に使う長谷川式簡易知能評価スケール(HDS-R)。
よく目にする評価ですが、実は現在使われているのは1991年に改定されたものであるのはご存じでしょうか?
今回は初代HDS-Rとはどんなものだったのか取り上げます。
●HDS-Rとは
改訂長谷川式簡易知能評価スケール(HDS-R)とは長谷川和夫先生を中心に1991年に出された、年齢、見当識、記憶、計算、逆唱、語想起など9項目の質問を行い、30点満点で評価する質問紙法です。
20点以下で認知症疑いがあり、日本では簡易的な認知症スクリーニング検査として多く用いられています。
各項目は
1:年齢はいくつですか
2:今日は何年ですか、何月ですか、何日ですか、何曜日ですか
3:私たちが今いるところはどこですか
4:これから言う3つの言葉を言ってみてください
桜、猫、電車or梅、犬、自動車
5:100から7を順番に引いてください、それからまた7を引くと
6:私がこれから言う数字を逆から行ってください
「6-8-2」
「3-5-2-9」
7:先ほど覚えてもらった3つの言葉をもう一度言ってみてください
8:5つの品物を見せます、それを隠しますので何があったか言ってください
9:知っている野菜の名前をできるだけ多く言ってください
このようになっています。
では、初代HDS-Rとはどのようなものだったのでしょうか?
●初代HDS-R
最初に出されたHDS-Rは1974年に出されたもの。
もう1つ有名な認知症のスクリーニング検査であるミニメンタルステート検査(MMSE)の1年前です。
MMSEよりもHDS-Rの方が早かったんですね!
項目は11項目で今のものより多いです。
満点は32.5点で、
30.5~22点が正常と認知症の境界域
21.5~10.5点が準認知症
10点以下を認知症
このように分けられていました。
項目は
1:今日は何年ですか、何月ですか、何日ですか、何曜日ですか
2:ここはどこですか
3:年齢は
4:最近起こった〇〇の出来事からどのぐらい経ちましたか
5:出身地は
6:大東亜戦争が終わったもしくは関東大震災はいつおきましたか
7:一年は何日、または1時間は何分ですか
8:総理大臣の名前は
9:100から順に7を引いてください
10:数字の逆唱(今と同じ)
11:5つの品物を見せます、それを隠しますので何があったか言ってください
以上になります。
どうでしょうか?
今と同じようなものから異なるものまで様々なものがあります。
時代の経過とともに終戦の年が分からない若者が増えたり、総理大臣の名前を答えるのが、海外論文と比較しにくいなどの理由があり、今の形が誕生しました。
時代と共に評価が変わっていったのは衝撃です。
HDS-Rを含め、長谷川先生について気になった方はこちらも一読ください。
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長谷川先生の考えや認知症になってからの話などが分かります。
気になった方はチェックしてみてください。
それではまた次回の記事でお会いしましょう。