こんにちは。
先日、とある理学療法士(PT)の整骨院が行政処分を受けました。
なにが問題になったかというとそれは誇大広告。
今回はその内容がどのようなものだったのか、同じリハビリ職として取り上げます。
●問題となった会社は?
今回問題となったのは「株式会社LAPRE」
認知症専門リハビリテーションLAPREという事業所を大阪、東京、埼玉、千葉で展開しています。
出典:認知症専門リハビリLAPRE | 認知症の改善を諦めないでください
ホームページを調べるとこのような画像が出てきました。
代表は岡本一馬さんという理学療法士(PT)が務めているようです。
「薬を使わず認知症状を好転させたリハビリ」
これらが今回問題となった表現です。
●問題となった点は?
今回、埼玉県が問題となったのは景品表示法の「優良誤認表示の禁止」に基づいて行政処分を行いました。
消費者庁によると優良誤認表示とは「商品・サービスの品質を、実際よりも優れていると偽って宣伝したり、競争業者が販売する商品・サービスよりも特に優れているわけではないのに、あたかも優れているかのように偽って宣伝する行為」を言います。
今回は具体的にどのような話が問題となったのか見ていきます。
原文は埼玉県からの引用です。
整体院等を経営する事業者に対して行政処分を行いました - 埼玉県
(1)「これが、薬を使わず認知症を改善させた脳のリハビリの方法です」等と表示するなど、あたかも、本件役務には認知症を改善する効果があるかのように表示していた。
実際には、顧客が認知症の診断を受けていない場合にも本件役務の提供はなされており、さらに、認知症が改善したとする定義は医師が診断した結果によるものではなく、MMSE等のいわゆるスクリーニング検査の点数の向上又は顧客の主観的意見及び顧客の家族の客観的意見によるものであった。
(2)「認知症専門リハビリ専門LAPREは日本で唯一改善実績のあるリハビリ施設です。」等と表示するなど、あたかも、日本で唯一の認知症が改善する役務の提供ができる施設であるかのように表示していた。
実際には、第三者機関による調査の結果等で、日本で唯一認知症が改善できる施設であるとされたのではなく、同様の施設が存在しないと自認しているのみであった。
(3)「当院は様々なメディアで取り上げられております」等と表示するなど、あたかも、本件役務が様々なメディアの企画又は特集として取上げられているかのように表示していたが、実際には、雑誌の企画又は特集ではなく、整体院等の広告として掲載されているものであった。
(4)「事実、認知症専門リハビリを受けたご家族様はこのような結果を手に入れています・・・」等と表示するなど、体験談が掲載された12名の顧客は、本件役務の提供により認知症が改善した体験を有しているかのように表示していた。
実際には、体験談が掲載された12名の顧客うち、6名は医療機関に通院しており、そのうちの2名は薬を服用していたが、本件役務の効果によってのみ認知症が改善されたと判断できる医師の施術記録等はなかった。
残りの6名は、認知症の診断を受けていないにもかかわらず、本件役務の効果によって認知症が改善されたと評価されていた。
(5)「※個人の感想であり、成果を保証するものではありません。」と表示するなど、当該表示は、一般消費者が上記12名の顧客の体験談の表示から受ける本件役務の効果に関する認識を打ち消すものではない。
これらが問題となったようです。
埼玉県はこれらのことに対して
・景品表示法に違反する表示を行っていたことを一般消費者に周知徹底すること。
・再発防止策を講じて、これを従業員に周知徹底すること。
・今後、同様の表示を行わないこと。
これらを令和4年2月17日付で命令しました。
しかし、令和4年2月25日現在、多くの表記が残っています。
果たして改善されていくのでしょうか…?
●日本認知症リハビリテーション協会
これを聞いたとき、皆さんはどう思われましたか?
例えば、日本理学療法士協会、日本作業療法士協会、認知症に絡めてなら公認日本バリデーション協会、日本ユマニチュード学会などと同じような団体を思い浮かべたでしょうか?
しかし、これは岡本一馬さんが代表を務める団体です。
他の協会や学会と比べても歴史が浅いものというものを認識しておいてください。
セミナーなども開催されています。
誇大広告が問題となってしまった岡本さんですが、一般的なセラピストより認知症に関する知識は豊富だと思います。
セミナーを受けるのか、協会に入るのかなどは自己判断でお願いします。
youtubeもやっているようなので、判断基準の一つにしてもいいかもしれません。
●インスタなどはお咎めなし!?
ちなみに株式会社LAPREはインスタなどもあります。
しかし、特に今回の行政処分を受けても動きはありませんでした。
行政処分はあくまでホームページに対してだけということでしょうか?
いかがだったでしょうか?
しっかりと効果を出すのは大切ですが、行き過ぎた表現や誤解を招く表現はご法度です。
みなさんの働く場所でも、誇大な表現をしていないかなど確認していくのもいいかもしれませんね。
ではでは。