こんにちは。
消防団に入っていると操法大会というものがあります。これは総務省消防庁の定める「消防操法の基準」に基づく火災消化を想定した基本操作の訓練とされています。
歴史は長く、第二次世界大戦後から行われてきました。
全国大会も行われており、コロナ渦で2020年の全国大会は中止されましたが、2021年はどうするかはまだ決まっていないようです。
小型可搬ポンプ操法とポンプ車操法があり、どのようなことを行うのかというと
・整列し、合図とともに集合
・行う旨を指揮者が偉いさんに伝達
・セリフを述べ、用意された動きを行い、火点(的)へホースを延長
・機械を操作し、水を出して火点(的)を倒す
・撤収し、安全確認
・指揮者が偉いさんへ伝達後、号令で終了
このような流れになります。
行う意義としては
・規律ある指示や命令の元、動作を行う
・正確にポンプを扱い、水圧管理を行う(機械類の操作を確実に行う)
・火点へ正確な放水を行う
・ホースに沿って走り、自分たちのホースを見落とさないようにする
そんな操法大会ですが、現在は現役団員から不要論が出ています。
理由としては
・形式ばった動きが多く、実践とはかけ離れている
・採点競技になっており、訓練の目的から大会で成績を残すことに重きが変わってしまっている
・練習時間の拘束が多く、仕事を含めた私生活とのバランスが保てない
などがあげられています。
実際に行っている身からすると機械の操作練習の機会とはなるので、操法自体が全くいらないとは言いません。しかし、訓練というより大会の意味合いが強いです。
一糸乱れぬ動きに号令に従い、迅速に動く姿。きれいかもしれません。ですが、実際の火災現場では現場について足並みを揃えて集合し、伝達を受けている時間はありません。時間との勝負なので、指示の下、迅速にポンプを動かし、火点までホースを延長して消すことが重要になります。
水利がないところや小さな火災では、ジェットシューターという背負って手押しで水を出すものを使用することもあります。
とにかく素早く動かないとダメなんですよね。遅いと現場では怒鳴られることもあります。
操法大会とは別に想定訓練や文化財消火訓練というものもあります。これは地元の地区が持ち回りで場所や火災状況を決め、実際に火災が起こったとして出動して沈下までを実践するものです。文化財の方はその名の通り、神社など文化財での火災を想定した訓練です。
これは整列して消しますというような開始の合図はありません。連絡がきた瞬間に出動し、迅速に動きます。とにかく早く安全に正確に動く。実践に活きる訓練と思います。
また、自分の住む地域でも1㎞先の細かいところまでは分からなかったりします。自分たちの細かく知らない場所でどのように動けばよいのかの練習にもなるので、有意義な訓練となりやすいです。
操法大会も数年前にタイムアタックのような形で行ったものがありました。これは実践に近く、また整列が揃わないからと延々と整列の練習を行うこともありませんでした。大会を行うとしてもどのような形が現場で活きるのか。そこについて突き詰めて行ってほしいです。
不要なことについて多くを述べましたが、実際の選手の意見として「練習を通じて本当の仲間ができた。現場に出てもコミュニケーションがとりやすく、動きやすくなった」という声があったそうです。これは一つのメリットと思いますが、先に述べたように練習時間は拘束時間が長く、かなりの負担になります。操法の練習についても後日記事として上げたいと思います。
NHKによると団員の9割以上が不参加希望の市もあるそうです。
多くが不要と考えている操法大会
ここについて今一度多くの団が考え直してくれるといいですね。
ではでは。