作業療法つぶやきブログ

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現役作業療法士(OT)のブログ。不定期週2回12時更新。カテゴリー一覧はスマホの方はページ下部へどうぞ。

【消防団】令和6年能登半島地震から考える本当に必要な訓練とは

こんにちは。

 

令和6年、元日から日本列島を戦慄させた能登半島地震

多くの方が被災し、犠牲になられた方も多数いました。

今回は南海トラフ地震も含め、消防団で必要な地震対策の訓練の現状について取り上げます。

 

消防庁が考える大規模災害時の消防団の位置づけ

消防庁のホームページでは大規模災害に対する消防団の対策をこのようにあげています。

「我が国は、その位置、地形や気象などの自然条件から、地震、台風、豪雨、火山の噴火などによる災害が発生しやすい環境にあります。いつ発生してもおかしくないといわれている首都圏直下地震南海トラフ地震でも大きな被害が広範囲かつ多重的に発生すると予測されます」
「このような大規模な災害に対応するためには、国としての防災対策はもちろんのこと、地方公共団体の取組み、さらには地域の防災力を高めていくことが必要です」

 

続けて、大規模災害時等への対応を意識した消防団活動としては「消防団の中心となる基本団員の確保に引き続き取り組むとともに、大規模災害の際のマンパワー確保に向けて、大規模災害に限定して出動する大規模災害団員制度の導入も進める必要があります」としており、救助活動の訓練などもあげられていました。

 

では、実際の消防団の活動としてはどのような活動をしているのでしょうか?

 

●神奈川消防の取り組み

神奈川県では2023年6月18日に神奈川消防署と神奈川消防団が「震災対策地区本部運営訓練」を行いました。

訓練では最大震度6強地震を想定。

 

消防署内に消防地区本部と消防団本部を設置し、架空の災害想定を付与する「コントローラー」と、それに対応する「プレーヤー」の2チームに分かれ、有事の際の動きを確認しました。

 

消防署長は「限られた人員、車両、資機材をいかにやり繰りして災害対応に当たるかが大切」と話し、消防団長は、「過去にも同様の訓練を実施しているが、今回は実践的で有意義だった」と満足そうに話したそうです。

 

名古屋市の取り組み

名古屋市では2023年10月15日に消防隊と消防団で連携して消火活動にあたる訓練が行われました。

この訓練では約200名が集まり、消防隊と消防団が所属する区ごとに訓練が行われ、ホースを運んだり、建物に放水しています。

南海トラフ地震では名古屋では最大で2万件以上の火災の発生が想定されており、その想定に沿った実践訓練でした。

 

消防団課長は「南海トラフ巨大地震に伴う同時多発的な火災への対応は消防局だけではできないので消防団の皆さんの力も借りる必要がある。消防局も消防団も危機感を持っていて、今後も連携していきたい」と総括しています。

 

このように地震から来る災害に対して対応する訓練を行う自治体は出てきています。

では、多くの自治体はどうかというと実際は操法大会の練習が多くの比重を占めています

しかも、その練習では回れ右など基礎的な動きに多くの時間が割かれ、実践的な訓練と呼べる時間はわずかです。

 

能登半島地震は決して対岸の火事ではありません。

地震が起こった時、どのようにして消防団は動くか分かっていますか?

実践的な練習は行えていますか?

操法大会の練習ばかりしていませんか?

 

明日は我が身。

しっかりと準備していきましょう。

 

最後ですが、この度の震災に対し、心からお見舞い申し上げますとともに皆様のご無事と1日も早い復興をお祈り致します。