こんにちは。
2024年度にやってくる介護報酬改定。
その中で決まったことの1つが「福祉用具貸与・販売の選択制」です。
今回はそれをテーマに取り上げます。
●福祉用具の課題
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福祉用具は借りている期間が長期間になると、累計額が販売価格を上回るケースがあります。
特に若い方が早くから借り続けると、販売価格以上に支払いを行ったというケースを経験した方も少なくないのではないでしょうか?
実際に私のご利用者も玄関の手すりをレンタルで最初は借りていましたが、途中で改修するケースがありました。
また、杖も借りているといずれは購入額を上回るので、購入した方もいます。
このようなケースもあり、一部の貸与種目・種類は利用実態などをみると、購入した方が自己負担を抑えられる利用者の割合が相対的に高いというデータも出ました。
そのことから、貸与と販売の選択を可能とすることが合理的と判断され、今回の改定へと至ったそうです。
では、どのような福祉用具が対象となるのでしょうか?
●対象となる福祉用具の候補
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具体的に上がったのが、以下の4つ。
・固定用スロープ
・歩行器(歩行車は含まない)
・単点杖(松葉づえは含まない)
・多点杖
これらは可動部がないものが多く、利用開始後のメンテナンスの必要性が比較的低いとされるものです。
ほかにも対象となるものが出てくるかもしれませんが、まずはこれらが来年度から言われ始めるでしょう。
●選択するためのプロセス
貸与か販売のプロセスは以下のようになると現状、説明されています。
・ 利用者の意思決定に基づき貸与か販売かを選択する。
・ 貸与・販売の選択について検討を行う際は、医師やリハビリテーション専門職ら医療職を含めた多職種の意見を反映させるためにサービス担当者会議などを活用するほか、ケアマネジャーが各専門職への「照会」で意見を聴く方法も可能とする。
・ ケアマネ、または福祉用具専門相談員は、取得可能な医学的所見に基づき、サービス担当者会議などで得られた判断を踏まえ、利用者に貸与か販売かを提案する。
どうでしょうか?
正直、今とあまり変わりはないかもしれません。
貸与の場合は6か月以内のメンテナンスも義務付けられており、これは現行と変わりありません。
一方、購入の場合は「福祉用具専門相談員は、保証期間を超えた場合であっても、利用者からの要請に応じて、販売した福祉用具の使用状況を確認し、必要なら使用方法の指導、修理などを行うよう努める」とされました。
アフターフォローがうまくできるかどうかが今後の課題となりそうです。
まもなくやってくる介護報酬改定。
介護保険で借りる場合、多くは自己負担でなく、公費です。
そこを抑えたいことから販売との選択制を導入するのでしょうが、うまくいくでしょうか。
今後の流れに注目していきましょう。
それではまた次回の記事でお会いしましょう。