こんにちは。
リハビリで使用されるHAL。
高額であることから使用を避けるケースがあるかもしれません。
ですが、そんなHALの医療保険適応となる疾患が増えました。
●HAL(Hybrid Assistive Limb)とは
出典:ロボットスーツHAL®とは | 大同生命を知る | 大同生命
HALとはCYBERDYNE株式会社が開発した身体機能を改善・補助・拡張・再生することができる世界初のサイボーグ型ロボット。
特に「医療用下肢タイプ」は有名で、装着者が筋肉を動かそうとした時に皮膚表面に出る微弱な生体電位信号を検出し、装着者の下肢関節動作をアシストしてくれます。
病気などで身体が動かしづらくなってしまった方でも、脳からの信号にもとづいた生体電位信号は出るため、このような運動を繰り返し行うことで、脳神経系の繋がりが強化・調整され、機能改善・機能再生が促進されるとされました。
日本では2015年に8つの神経・筋難病疾患を対象とする新医療機器として承認され、2016年から公的医療保険を使った治療が開始されています。
●保険適応と費用
保険適応となる疾患はこの8疾患。
・脊髄性筋萎縮症
・球脊髄性筋萎縮症
・筋萎縮性側索硬化症
・シャルコー・マリー・トゥース病
・遠位型ミオパチー
・封入体筋炎
・先天性ミオパチー
・筋ジストロフィー
心臓ペースメーカー装着者や重度の感覚障害がある場合は適応困難とされる場合もあるそうですが、基本的にこの8疾患の方は保険適応となります。
しかし、脊髄損傷での下肢麻痺に対しては基本的に自費リハビリのみ。
費用も1回当たり2万近くかかることも少なくないため、利用者にとっては非常に高額になってしまいます。
そんなHALの対象疾患が2023年10月から拡充されました。
●新たな保険適応
新たに追加されたのは2疾患。
・HTLV-1関連脊髄症
・遺伝性痙性対麻痺
この2疾患です。
ですが、脊髄損傷などについては医療保険の枠として拡充されることはありませんでした。
今後の展望としても可能性としては低そうです。
理由として脊髄損傷者を医療保険の対象としてしまうと数が増えるため、国としては医療費増大をまねいてしまいます。
強力なエビデンスが出ない限りは今のところ、望みは薄そうです。
いかがだったでしょうか?
公費では行いにくい側面もあるHALですが、徒手や装具でしかできないリハビリとはまた違う内容のリハビリが実践できます。
私の利用者も通い続けている人がいます。
対象疾患が広がったことで、皆さんの担当されている方の中に適応の方が増えたかもしれません。
使えるものは使っていきましょう。
それではまた次回の記事でお会いしましょう。