こんにちは。
地域防災のための消防団。
それが全員一気に退団してしまう事案がおきました。
初期消火や行方不明者の捜索のために必要な組織が全員抜けるという事態から消防団の問題点を考えます。
●玉造支団第5分団第2部退団騒動
出典:https://ibarakinews.jp/news/newsdetail.php?f_jun=16682494290700
今回話題となったのは茨城県行方市の消防団の玉造支団第5分団第2部(羽生消防団)の団員22名が一斉に退団したこと。
2022年11月現在、この部には一人の在籍者もいなくなってしまったということです。
2022年7月20日に部の22人全員が退団届を提出し、市などはその後も約3カ月にわたり、謝罪や慰留を行ったそうですが、最終的に10月17日付で全員退団となりました。
部の全員が一斉に退団という前代未聞の事態ですが、どのような経緯があったのでしょうか?
●経緯
まずことの発端は5月の新人訓練。
この時に羽生消防団が穴の開いたホースで参加していたそうです。
このことはもちろん問題視され、注意喚起がなされました。
その後、9月24日に予定していた市消防団の操法競技大会の順番決めでトラブルは起こります。
大会は抽選で競技順を決めるのが慣例で、羽生消防団は6月の抽選で5番目となっていました。
しかし7月に27番目の消防団と順番が勝手に入れ替わっていたそうです。
団長によると「変更は注意喚起・指導の意味合いだったと理解している」と話しました。
これに羽生消防団は分団長より上の立場の人に説明を求めようとしましたが、満足のいく対応がなされず、「これ以外の方法がなかった。苦渋の決断だった」として退団届を出すに至りました。
●地域との関係は?
消防団の消滅は有事の際にすぐに対応できる地元の方の消失を意味します。
羽生地区の70代男性は「地区には氾濫しやすい場所があり、消防団が見回ってくれていた。他の消防団がカバーすると言っても土地勘の問題もある」と不安を口にしていたそうです。
実際に消防団がいなくなるのは地区としても認めないという地域があると思います。
我々の地域も全員退団となると地区の区長たちと話し合うなど段階を踏んでやっていかないといけません。
しかし、今回は早期に退団の流れとなりました。
もしかすると、もともと地域の方も代々受け継がれてきた消防団のやり方に不満がり、一定の理解を示してもらえたのかもしれません?
●こうでもしないと変わらない
今回、羽生消防団がおかしたホースに穴が開いていたミスは許容はできません。
実際に火災現場でそのようなことがあってはならないので、ミスがあったのであれば、交換するなど対応はとるべきです。
交換対応を新人大会以降していなかったのであれば、羽生消防団の動きにも大きな問題はあります。
しかし、操法大会など放水する訓練でこうしたミスをする班は実際にあり、あるあるなミスです。
注意喚起をした幹部を否定はしません。
しかし、やり方は間違えたと思います。
なぜ、順番変更という陰湿なやり方で注意喚起をしたのか、その判断には納得できません。
退団した元消防団員は「家族や自分の時間を犠牲にして地域貢献のため活動してきた。間違いを間違いと言えない環境は疑問。何も結果が出ないまま、退団届が受理されてしまったことは非常に残念」と語りました。
皆さんはこの数か月のやり取りで消防団全員退団が起こったと感じるでしょうか?
本当は代々根付いているもっと深い消防団の闇を感じてなりません。
消防団を持続させるには必要なものは残し、不要な伝統を変えていく改革が必須なのかもしれませんね。
それではまた次回の記事でお会いしましょう。