こんにちは。
先日実績指数について導入の経緯や計算方法について取り上げました。
前編はこちら↓
本日は後編として導入後どうなっていったのか、今後の流れについて取り上げます。
●導入後どうなったか
H28年度は入院料1(条件は厳しいが、入院料が一番高いもの)のみ導入され、この時の超えないといけない数値は27でした。
結果は9割以上がクリアし、リハビリが6単位(2時間)までしか算定できないところはごく一部でした。
その後、H30年度には入院料1は37が超えないといけない数値となりました。
入院料3の病院にも30という数値が組み込まれ、より多くの病院で基準を超えていかないといけないとなりました。
しかし、それでもほとんどの病院が基準をクリアできています。
更に令和2年度からは入院料1が40,入院料3が35と引き上げられています。
ほとんどの病院が基準を超えているのでしっかりと結果を残せたようにも見えますが、問題もあります。
●実績指数の問題点
それは入院・入棟時のFIM(機能的自立度評価法)の点数が下がっていることです。
この図を見てもらえると入院・入棟時の点数の低下がよく分かります。
*左が入院・入棟時の点数、右が退院時の点数
2015年以降で見ると、退院時の点数は約1点しか上がっていないにも関わらず、入院・入棟時は5~6点下がっています。
つまり、最後に良くなって帰ったのではなく、最初が悪かったから上がり幅が上がっただけということです。
もちろん、重症な患者さんや早い段階で回復期リハビリテーション病院にうつったことで最初が下がったということも原因の1つとして考えられます。
しかし、実績指数という数値が導入されてから入院・入棟時の数値が変わり始めると、意図的なものを感じてしまいますよね。
回復期リハビリテーション協会でもこの最初のFIMの点数低下は問題となりました。
今後も最初が低く、最後は変わらないのか、また違う形になるのかは注目していく必要があります。
ちなみにですが、在院日数もここ数年は減少傾向で早期退院傾向になることが分かります。(図の右の数字)
●今後の流れ
実績指数は医療保険改定と共に上がっています。
今後も基準をクリアできる病院が多く、FIMの数値次第ではより厳しい実績指数が設定される可能性があります。
そうなった場合、回復しやすい、より早い時期での回復期リハビリテーション病院への転院が今より行われていくかもしれません。
また、回復期リハビリテーション病院へ入院してから退院するまでの数字が今まで以上に短くなってくることが予想されます。
そうなるとデイや訪問リハビリといった地域の受け皿との連携も重要になってきますね。
更に実績指数でない、別の数値ができてくる可能性もあります。
いずれにしても今後の情報については注目していかないといけませんね。
リハビリ業界は回復期リハビリテーション病院が働く人数が多く、一番集中してリハビリできる時期です。
数字にこだわりすぎないようにしながら、目の前の患者さんが少しでも良くなるように支援を続けていきたいですね。
明日も通常の更新日ではないのですが、4月27日に行われた池袋暴走死傷事故第7回公判について取り上げます。
ではでは。