こんにちは。
日本デイサービス協会が介護従事者に対する処遇改善(介護職の賃上げ)に対して公式に声明を発表しました。
それを読むと、処遇改善に対して期待を寄せる一方で課題も感じています。
単純に賃上げするのが嬉しいので受け入れますでは終わらない事態になっているんですね。
今回はそんな話題について取り上げます。
●公式声明
まず岸田政権の掲げる「成長と分配の好循環」の中で取り組む予定の介護職員の報酬増加については好意的に受け止め、期待を寄せています。
以前も取り上げた9000円報酬アップはデイサービス協会としてもいい話としてとらえているんですね。
一方で課題も見つけています。
続けて課題について見ていきましょう。
●課題
①介護事業者の分配裁量権
今回の賃上げは介護職の一律9000円アップです。
つまり、仕事の内容やどのような人材かは評価に入りません。
現場としてもしっかりと働いている人には高い給料を払いたいですから、一律ではなく、事業者にも分配の裁量権を与えて欲しいということです。
また、医療や介護の現場はチーム医療です。
介護職だけ上がり、リハビリや管理栄養士などが上がらない場合、職種間で不協和音を招きまねません。
こうした不協和音を招かないためにも事業者でうまく扱えるようにしてほしいということですね。
②手続きの簡素化および事務負担の軽減
「介護職員処遇改善加算」及び「介護職員等特定処遇改善加算」については複雑な事務作業が必要となり、小規模事業者については対応が追い付かず、手続きができないという声があるようです。
また、自治体単位で行う物事には国の取り決めだけでなく、各自治体のローカルルールが存在するケースもあります。
こうしたローカルルールが更なる負担増を招く可能性があるため、事務負担の少ない制度運用を検討してほしいという事です。
③総合事業における処遇改善加算
利用者の自立支援と介護予防の観点から、デイサービスだけでなく、様々な事業を併設して行っている通所介護事業は多いです。
しかし、市区町村管轄の様々な事業を行っているところは処遇改善加算を設けていないところが多く、現在の「処遇改善加算」や「特定処遇改善加算」の仕組みでは十分な原資が確保できないことも課題であるようです。
●今後
今後は制度の簡素化や他職種への報酬向上も議題として上がってくる可能性があります。
事務作業が大変になると人件費が割かれ、企業も9000円分をまるっと上乗せできなかったり、ボーナスで賃下げを図ってくるかもしれません。
また、賃上げされない業種ではモチベーションの低下や仕事が雑になる可能性が考えられます。
せっかくの話なので、うまく制度運用できるように考えて行ってほしいですね。
ではでは。