作業療法つぶやきブログ

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現役作業療法士(OT)のブログ。不定期週2回12時更新。カテゴリー一覧はスマホの方はページ下部へどうぞ。

訪問看護・訪問リハビリの医療費における割合

こんにちは。

 

今日は訪問看護・訪問リハビリの医療費における割合について取り上げます。

結論から言うと2017年で約2000億円です。年々増加しており、2013年と比べると倍近くになってきています。ちなみに他の医療費でははりやあんまなど含めても何倍というような大幅な増加をしているものはないようです。

4年で倍近くなっていますから、やはり目を付けられる部分ではあるのでしょうね。

 

しかし、医療全体で見てみると約0.5%なんですよね。しかも訪問リハビリはその中の一部なので本当に重箱の隅をつついているだけだと思うんです。仮に診療報酬を一割引き下げただけでは医療費の内でも0.1%にも満たない金額の引き下げになるんですよ…。

 

これで日本は将来に向けて明るい一歩になるのでしょうか? 訪問看護の公費が1000億上がった4年の間に入院費は1兆円上がっているんですよね。高齢者が増えているので、増えるのは仕方ないとは思います。しかし、増えているのであれば、入院という莫大な金額を下げるために、訪問など在宅部門の金額の増加はある程度据え置くのも一つなのではと思ってしまいます。お金の面だけでなく、休業時の待遇などの社会保障や訪問関係が充実すれば少しでも人生の最期を在宅で過ごせる方々も増えていかないかなと思うんですがね。

 

お金で重箱の隅をつつきたいのであれば、まずは総理のGo To一時停止後の会食など不要な細かい支出から見直してもらいたいものです。

 

医療費の詳細はこちら

https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/k-iryohi/17/dl/toukei.pdf

 

 

ではでは。

訪問リハビリと病院の連携

こんにちは。

 

本日は訪問リハビリと病院の連携について取り上げたいと思います。

私が勤める法人でも訪問リハビリと病院がいかに連携し、シームレスに移行していくかが課題となっています。当法人では急性期病棟、回復期病棟、訪問リハビリ事業所がほぼ同じ敷地に存在しています。その中で効果的であったことなどを振り返っていきたいと思います。

まず当法人が行う前に他の法人を調べてみると

・頻度:年2,3回~適宜

・対象者:数名~全利用者

・時間:長いところで1時間

・内容:訪問セラピストからの報告(紙面、動画)、病院セラピストと訪問セラピストで全ての経過報告、報告後に質疑応答

・効果:依頼件数の増加、訪問リハビリ導入への意識向上、退院後の転倒数の減少

というようなものがありました。

 

これらを調べる前に従来の伝達方法として当法人ではA4サイズ1枚で基本動作などの評価内容やFIM、家族構成やサービス、リハビリ目標、写真などをまとめていました。しかし、伝わりにくく、また個人により読んでもらえる差が大きかったため浸透がしにくい状況でした。

そこで月1回の回復期病棟での会議に参加し、直接動画などをみて説明する機会を設けさせてもらいました。お互いの負担にならないように会議時間のうち10分程度をもらい、行いました。

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結果、具体的なイメージがついた、連携への意識が向上したとのお声を頂きました。また、実際に回復期病棟から訪問リハビリへとつながった件数も約1.5倍に増加し、シームレスな移行が行えたのではないかと思います。顔をあわせて繋がる機会も大切ですね。

 

依頼件数が増えたことでスタッフ数も増加しましたが、今度は訪問リハビリで効果的な関わりが更にできるように質も同時に上げていかないといけませんね。

 

ではでは。

 

コロナ出ました

こんにちは。

 

当法人でもついに院内でコロナウイルスが出てしまいました。リハビリがかなり制約されたのはもちろん、患者さんの入退院にもかなり影響がでています。

夏頃の第2波ではまだ対岸の火事のようにテレビを眺めていましたが、第3波では市内でも多くの感染者が出てきたため、危ないなと思っていたらついに出てしまいました。幸い、私の科では陽性者がいませんでしたが、今後の動き方などには注意を払っていく必要が出てきました。

 

自分の勤め先で出るとなるとかなりのストレスを感じますね。観戦対策もしていますが、本当にこれで足りるのかや本当に十分なのかも不安になりますし。春先から最前線で治療に当たって下さっている方々には本当に頭が下がる思いです。

 

クラスターになる危険性もあり、当法人も難局を迎えそうです。全国の医療従事者の方々と力をあわせてこの難局を乗りこえていけたらと思います!

 

ではでは。

アメフトでの怪我

こんにちは。

 

昨日は日大と関西学院大学の因縁の試合がありましたね。危険タックルといわれ、社会問題となった事件から数年が経ち、両者の試合が行われました。当時怪我をしたQBの選手も試合にでて、今回はクリーンな試合が行われました。

今回は故意ではなく、アメフトというスポーツの中でで起こる怪我について調べてみました。大学アメフトで起こる怪我について1999年から2008年までの十年間をまとめた研究です。ネット上でも見れるので、詳しく読みたい方はそちらを参考にして下さい。

この研究ではポジション別や受傷部位別についてまとめてあります。

ポジション別ではランニングバックやオフェンスラインといったボールを抱えて動くポジションに怪我が多いことが示されています。タックルを受けやすい場所でもあるので、怪我としては多くなのでしょうね。

部位別では下半身の怪我が多いようです。負担がかかる場所であり、全体の怪我の4割を占めるそうです。徐々に痛みがまして怪我となることが一番多いそうですが、タックルをする、受ける際にも怪我をすることが多いようです。あれだけ激しくぶつかるのですから、捻挫、筋や靱帯の断裂も頷けますね。

一方でクォーターバックのようにパスを出すポジションは脳震盪など頭部の怪我が多いようです。危険タックルの際は首だったと思いますが、不意にくるタックルはやはり怖いですね。頭部の怪我は全体の10%を占め、首の怪我も7%弱あるそうです。

激しいスポーツである以上怪我は避けられないと思います。実際私の友人も脳震盪を起こしたと聞きました。作業療法では下半身の怪我では関わることは少ないかもしれません。しかし、頭部の怪我ではリハビリで関わることがあるかもしれません。そうなった際は競技に戻れるよう全力で支援できればと思います。

 

どのスポーツでも怪我にはくれぐれもご注意下さい。

 

ではでは。

脳画像の基本 CT

こんにちは。

 

今日は脳画像を見るときの基本的知識としてCTを取り上げたいと思います。

 

まず、CTとはcomputed tomographyの略でX線の原理を利用しています。

肺などを取るレントゲンが立体的になった状態ですね。

X線が透過すれば黒く、吸収されれば白く写ります。空気などであれば透過しますが、出血がある、炎症がある場合には白く見えることがあります。

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OM line(orbitomeatal line):眼窩耳孔線

眼窩と耳孔(耳の穴)を結んだ線を指します。

CTを撮る際はこのOM lineで撮るため、眼と耳の穴がやや斜めになっているように脳の画像もやや斜めに写ります。床に対して平行に脳が見えるわけではないので、画像を立体的に見るイメージをする時に注意したいですね。

 

OM lineの利点は2点あるようで、

1.再現性が高い

2.被爆量が少ない

というものがあるようです。

 

脳梗塞後のCT

梗塞後のCTは6~24時間は不明瞭に見えます。しかし、early signという特徴により、検出されることもあります。

early signとは

1.レンズ核陰影の不明瞭化

2.皮質・髄質境界の不明瞭化

3.脳実質の淡い低吸収域

4.脳溝の不明瞭化

5.閉塞血管に一致した高吸収域

を言います。

時間経過とともに徐々に黒くうつるようになっていきます。

 

出血後のCT

血腫があると、そこでX線透過性が低下し、白く写ります。

出血であれば早期から明瞭な描出ができ、手術にも移行していけるということですね。

出血巣の周囲は脳浮腫により、一時的に血流が落ちて、黒くうつることがあります。その後、1~2か月が経つと瘢痕化し、黒くなってきます。

 

以上がCTの基礎的な部分です。脳卒中患者を見るうえで必要な知識なので復習しながら臨床に臨みたいですね。

 

ではでは。