こんにちは。
東京の脳卒中専門自費リハビリで有名なBRAIN。
BRAINの代表取締役、理学療法士・針谷遼さんが用いているツールが「Goal-Based SDM」というものでした。
今回はそのツールとはなんなのか取り上げます。
●針谷遼さん
2011年に理学療法士として働き始めてから、回リハ、訪問リハ、保険外リハを経験し、2021年に株式会社BRAINを設立しています。
BRAINが行っているのは主にこの2つ
1. 自費リハビリサービス
2. リハビリ専門職向け学習塾の運営(セミナー)
そんな針谷さんが2023年3月13日Twitterで以下のような発信をしました。
「BRAINは自費リハですが目標設定にはこだわってて『Goal-Based SDM』を導入しています。Goal Boardというツールを使ってご利用者様の目標を見える化し、セラピストとご利用者様の目標イメージを擦り合わせてます。とても便利なので、病院勤務の方もぜひご検討ください」
あわせて載せられていた参考文献は「Goal-Based Shared Decision-Making: Developing an Integrated Model(目標に基づく共有意思決定。統合モデルの開発)」というものです。
Goal-Basedは「目標に基づく」というもの。
では、Shared Decision-Making(SDM)とはどのようなものなのでしょうか?
●Shared Decision-Making(SDM)
SDMとは「共同意思決定、協働的意思決定」と言われます。
つまり、サービスの利用者と提供者(セラピスト)が、意思決定や治療方針の決定に関して目標を共有し、ともに力を合わせて決めていくというもの。
昔ながらの医療のケースでは医療職側が目標設定をすることが多く、利用者や患者はそれに従うだけでした。
しかし、SDMではどちらも対等な立場であり、セラピストが利用者に方針を押しつけることもなければ、利用者がセラピストの方針を無視して進むこともありません。
共に考え、共に責任を負うというのがSDMの考えです。
元々、精神科領域などで使用されていました。
そこに「目標に基づく」を付けたのが、Goal-Based SDMになります。
Goal-Based SDMには文献によると
(1)ゴール・チーム・トーク
(2)ゴール・オプション・トーク
(3)ゴール・ディシジョン・トーク
の三段階があり、
(1)パートナーシップを形成し、目標に優先順位をつける
(2)目標に対する課題を多角的にはっきりさせる
(3)望ましい目標を段階的に設定する
こうしたことをお互いに行います。
通常のリハビリでも行っていると思いますが、ここで重要になるのが可視化です。
●可視化するツール
出典:Goal-Based Shared Decision-Making: Developing an Integrated Model - PMC
可視化するためのツールが「ゴールボード」と呼ばれるもの。
可視化することで何が課題なのか明確になり、共に意思決定がしやすくなります。
現在はこうした医療モデルが使われることが多いですが、コツは「優先順位をつけて可視化する」。
こうすることで様々な選択肢の中で決定すべきことを一緒に決めていくポイントになるようです。
一度、実際にゴールボードを使用してみるのもいいかもしれませんね。
それではまた次回の記事でお会いしましょう。