こんにちは。
以前、車椅子の方でも着やすい着物について取り上げました。
前に取り上げたときは障害があって着物が着にくい方に対してという側面が強かったのですが、最近はユニバーサルデザインではないかという話が上がっています。
今回はなぜユニバーサルデザインなのかについて取り上げます。
●車椅子の方でも着やすい着物
出典:https://readyfor.jp/projects/multh
車椅子の方でも着やすい着物の一つは上下セパレート式着物です。
上下セパレート式着物とは文字通り、上下が分かれている着物を指します。
通常の着物であれば、首元~足元まで繋がっていますが、セパレート式着物では上を着て、下をはいて、帯を巻けば、着ることができます。
過去にはマルチスイッチという障害者の社会参加のための活動を行っている団体がクラウドファンディングを行い、車いすユーザーでも脱ぎ着しやすく、トイレの心配も解消できるようにお尻の部分が空いた着物を増産することに成功しました。
このようにセパレート式着物は様々な形で普及していこうとしています。
●バリアフリーとユニバーサルデザイン
セパレート式着物を着た時にバリアフリーを目指しているんだなと感じた人は多いと思います。
バリアフリーとは「障壁となるものを取り除き、生活しやすくする」という意味合い。
つまり、段差など物理的な障壁や、麻痺があるからできないこと、社会的・精神的な障壁などこうしたバリアを除去するのが、バリアフリーです。
セパレート式着物は障害をもった人が着物を着ることができることができるので、バリアフリーを目指したデザインと言えるのではないでしょうか。
世のなかにはバリアフリーと呼ばれるものもある一方、ユニバーサルデザインというものもあります。
これは「年齢、性別、文化、身体の状況など、人々が持つさまざまな個性や違いにかかわらず、最初から誰もが利用しやすいもの」を指します。
そして、今回のセパレート式着物は徐々にバリアフリーというよりユニバーサルデザインではないかとされてきました。
●なぜユニバーサルデザインなのか
「老若男女、国籍を問わず、全ての人が着やすいから」
着物は帯の締め方など、コツを知らないとうまく着ることができません。
きれいに着こなす場合でも、はだけることなく着こなすは慣れた人が必要です。
ですが、このセパレート式であれば誰もが同じように着ることができるんですね。
日本人に限らず、外国人が観光で日本に来たときにもこの着物はユニバーサルデザインとしての力を発揮します。
日本に精通した外国人でない限り、着物の着方を分かる方はいません。
そんな方でも着やすく、崩れても修正できるので扱いやすいんですね。
元々は障害をもった方用に作られたデザインであっても実は万人が使いやすいものはもしかしたらまだまだあるかもしれません。
身近にあるものの使い方を考えながら過ごしてみるのもいいかもしれませんね。
ではでは。