作業療法つぶやきブログ

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現役作業療法士(OT)のブログ。不定期週2回12時更新。カテゴリー一覧はスマホの方はページ下部へどうぞ。

【訪問リハビリ】訪問リハビリの終了時期について~終了者の傾向~

こんにちは。

 

訪問リハビリをしていて終了のタイミングに迷うことはありませんか?

目標達成で終われば一番いいですが、実際はそううまくはいかないことがあります。

今回は訪問リハビリ事業所のデータから傾向を見ていきます。

 

●データについて

今回は訪問リハビリ事業所についてのデータを基にします。

訪問看護ステーションからのリハビリではなく、医療法人などから行う訪問リハビリステーションのデータです。

 

●訪問リハビリ終了の多い時期

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まず、リハビリ介入を始めて6か月後どうだったかのデータですが、要支援者は30%近く、要介護者は20%前後が目標達成によりリハビリを終了しています。

目標達成での終了は要支援者の方が多いようです。

近年、要支援者は減算対象になることも多く、訪問看護ステーションからだけでなく、訪問リハビリステーションからのリハビリでも長期のリハビリにならないように気をつけているのかもしれません。

 

一方で時期未定の終了予定の割合はどの介護度でも同じです。

更に終了予定がない利用者は要支援で45%、要介護3~5で58%と介護度が重くなるほど増加傾向となっています。

 

では、予定ではなく、実際に目標達成でき、達成できた方はどのような時期に多いのでしょうか。

 

●目標達成で卒業できる人は短い期間に多い

 

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続いて実際にリハビリを卒業した人のリハビリ期間ですが、全体の半数以上が半年以内で終了しています。

また、1年以内で見ると全体の7割にも昇ります。

介護度が重い人ほど長期になるような傾向は見られていませんが、4年以上通っている方の割合は要介護3~5で多いですね。

 

これらのことから終了していく傾向にある方々はどのようなケースで多いのか見ていきます。

 

●終了が多い利用者はどんな方?

①介護度が軽い

まずは介護度が軽い方です。

上のデータでも半年以内の終了者は介護度が軽いほど高い傾向がありました。

要支援の方は自力で歩けて色々なことができる方が多いです。

そうなると地域に出たり、自分で好きなことをしたり、自主トレで身体をキープするなど様々な方法で卒業しても動きやすいため、終了していくケースが多いのでしょう。

 

②期間が短い

もう一つは期間が短いことです。

半年以内の終了者が全体の半数、半年~1年以内の終了者が70%というデータから見ても長期化すると終了しにくい傾向が出ています。

実際に現場に出ていても目標がある程度できた場合でも、長く関われば関わるほど、生活の一部となり、終了しにくい場合が多いのではないでしょうか?

 

長くなると担当者が変更になって終了ではなく、また新しい方針が打ち出されたり、身体の状態が変わったりするなど、終了に向けての話があまりされない場合があります。

また、利用者をリハビリに依存させてしまう様なケースもあるため、注意が必要ですね。

 

いかがだったでしょうか?

訪問リハビリは大切なことですが、訪問リハビリにあまりにも依存し過ぎてしまうのはよくありません。

訪問リハビリがある日は動けるけど、ない日は動けないでは中々生活満足度も上がりにくいです。

うまく利用者さんと目標設定を行い、定期的に評価しながら自律を図る

こうしたことも重要になってきそうですね。

 

それではまた次回の記事でお会いしましょう。

【文献】睡眠不足時のトレーニングは何が有効?

こんにちは。

 

年をとると睡眠不足になりやすいです。

しかし、睡眠不足は筋トレの効率を下げます。

そうした時にどのような運動を行うのが良いでしょうか。

 

●文献

茶色の木製のテーブルに白い本

今回ご紹介するのは「The effect of sleep restriction, with or without high-intensity interval exercise, on myofibrillar protein synthesis in healthy young men(健康な若年男性における高強度インターバル運動の有無にかかわらず睡眠不足が筋原線維タンパク質合成に及ぼす影響)」というもの。

睡眠不足時の筋減少を防ぐトレーニング方法を検討したものになります。

 

文献の本題に入る前に睡眠不足と筋肉量の減少、高強度インターバル運動について確認します。

 

●睡眠不足は筋肉量の減少につながる

Free Baby Girl photo and picture

睡眠不足は人や動物において、筋肉量の減少と関連しているとされてきました。

それは筋原線維タンパク質合成速度(MyoPS)と呼ばれる骨格筋量を調節する上で重要なものが睡眠不足で低下すると言われているからです。

 

この研究でも睡眠時間が8時間の群と、4時間の群を作りました。

その2つの群を比べてみると、筋原線維タンパク質合成速度は睡眠時間が少ない方が有意に低くなりました。

 

この結果から睡眠不足は筋肉量の減少につながることが示唆されています。

 

●high-intensity interval exercise(HIIE)とは

Free Man Woman photo and picture

続いて、高強度インターバルトレーニングについてですが、これは負荷の高い運動と小休憩を繰り返すトレーニング法のことです。

体脂肪減少、持久力アップなどの効果もいわれています。

 

20秒間の運動と10秒間の休憩を8回繰り返すというように短い時間で効果が出やすく、忙しい現代人にもあうとされました。

 

●結果

この研究では8時間睡眠、4時間睡眠、4時間睡眠+HIIEの3群で結果を出し、8時間睡眠と4時間睡眠+HIIEでは筋原線維タンパク質合成速度の数字がほとんど似たような数字にできました。

一方、4時間睡眠では筋原線維タンパク質合成速度が落ちており、HIIEを行う事で、筋肉量の維持ができることが示唆されています。 

 

いかがだったでしょうか?

睡眠不足の時に行いたい運動の1つが高強度インターバルトレーニング

ただし、高齢者に対しては高強度トレーニングは負荷量に注意が必要で疾患によっては行えない方もいます

導入できる方にはうまく負荷量を調整しながら関わっていきましょう。

 

それではまた次回の記事でお会いしましょう。

【仕事】療法士も知っておきたい法定休日と所定休日~お金にも関係します~

こんにちは。

 

皆さんの職場のお休みはいつでしょうか?

土日休み、4週で8日休みなど企業によって条件は様々かと思います。

しかし、一口に休日と言っても、大きく2種類に分かれるのをご存じでしょうか?

支払われる賃金にも差があります。

今回は土日休み、365勤務のリハビリセラピストでも知っておきたい休日について取り上げます。

 

●法定休日とは

「休日のスマホは時間泥棒」の写真[モデル:井隼そら]

労働基準法第35条では、企業に対し、労働者に毎週少なくとも1回もしくは4週間に4回の休日を与えなければならないと明記されました。

この労働基準法で定められた休日を法定休日といいます。

 

例えば、病院勤務で月曜日~土曜日が仕事で日曜日が休みになっていれば、日曜日が法定休日です。

 

ですが、実際には週休2日のところも多いですよね。

そこで出てくるのが、次の所定休日となります。

 

●所定休日とは

「レトロな雰囲気のカフェでコーヒーで一息つく女性」の写真[モデル:塩田みう]

労働基準法32条では、労働時間の上限を1日8時間もしくは週40時間(休憩時間を除く)と定めています。

例えば、法定休日以外をフルタイムで働いたとしたら、8時間を6日で週48時間となり、定められた労働時間を超過します。

 

そうならないように企業が用意する休みを所定休日(法定外休日)と言います。

仮に私たちが週休2日で働いていたとして、その中で休日は法定休日と所定休日に分かれているんです。

 

では、この2つはどのように扱いが異なるのでしょうか?

 

●残業代の支払われ方が変わる

一番異なるのは残業代の支払われ方です。

法定休日に働いた場合は時給単価の35%の割増金額、1週間に40時間を超えた部分の残業については時間外として25%割増金額を支払うことになっています。

 

例えば、土日休みの職場で企業が日曜日を法定休日としていた場合には、土曜日に出勤した場合は25%割増、日曜日は35%割増となるわけです。

 

実は会社の規則で法定休日が決まっていたのに適切な割増金額を支払っていなかったということがないように注意していきたいですね。

 

ただし、多くの企業では1週間ぶっ通しで働いた場合の最後の日を法定休日と定めていることが多いです。

仮に日曜日働いたとしても土曜日が法定休日に当たるケースもあるので会社の規則を確認しておかないといけません。

 

いかがだったでしょうか?

自分の働く環境はどうなのか一度確認しておいた方が良い方もいるかもしれません。

特に残業代に関しては自分の生活に直結することもあるので、確認は必須です。

 

紛らわしい制度として代休と振替休日もあり、こちらも扱いが少し違います。

詳細は取り上げませんが、気になる方は調べてみてください。

 

似ていても実は違う部分などを理解しながら、自分の働きやすい環境を探していきましょう。

 

それではまた次回の記事でお会いしましょう。

【リハビリ】Paracane: 片麻痺に特化した杖の最新情報

こんにちは。

 

以前も取り上げた脳卒中片麻痺に特化したParacane。

値段やサイズなど前回取り上げきれなかったものを取り上げます。

これを見て皆さんは使いやすいと思うでしょうか?

そうではないでしょうか?

 

●Paracaneとは

Paracaneとは愛知県にある株式会社Welloopが開発した杖で、2024年2月15日から運営会社がシュポーン株式会社となりました。

脳卒中後遺症の片麻痺に特化した杖として発売されています。

 

2022年にブログで取り上げた際は1種類でしたが、現在は2種類が取り扱いされていました。

 

①Three Part

出典:https://minatomo.net/paracane/product2

Three Partは1本杖を使用している方が対象で「推進力向上を求める方。膝・股関節の不調にも使える」とされています。

 

機能面は大きく2つあり、1つ目が推進力を生み出す構造
杖を押すことによって生まれる、スリーパートスプリングの反発は重心を持ち上げ、重心を持ち上げることで足の引っ掛かりを防ぐように働きます。

その結果、推進力が生み出され進みやすくなるようです。

 

2つ目がリズム感を生み出す構造

杖の振りやすさに特化したグリップの形状をしており、振りやすさが歩行にリズム感を生み出すようです。

 

では、もう1つの杖はどのようなものなのでしょうか?

 

②Spiral

Spiralモデル- Paracane(パラケイン) - 片麻痺の姿勢を真っ直ぐに。

出典:https://minatomo.net/paracane/product1/

Spiralは四点杖を使用する方が使うタイプ。

 

機能は主に3つで1つ目が身体の傾きの修正

ホームページには「シャフトの弾性から生まれる反発力によって杖側に傾きすぎる体を正中に補正する。正中に補正されることで脚を真っ直ぐ振り出す土台が出来上がる」とされていました。

 

2つ目がまっすぐな振り出しの補助

体幹を正中に補正し、重心が高く持ち上がることによって、余分な力みなく脚をまっすぐ振り出せるようになるようです。

また、装具との併用も想定されており、装具使用者でもスムーズな振り出しの補助になるとされました。

 

3つ目が非麻痺側上肢を守る設計

非麻痺側上肢はどうしても負担がかかりやすく痛めやすいです。

そこで、グリップを調整し、手の3つのアーチを崩さないことで手の保護に繋げる構造を作り出しました。

 

このように様々な機能があるParacane。

では、お値段はどうでしょうか?

 

●価格

気になるお値段ですが、

・Three Part 税込140,800円

・Spiral 税込162,800円

 

どちらもいいお値段でした。

 

ですが、レンタルもあり、レンタルは月々、税込3,278円

レンタルになると検討できる値段になるのではないでしょうか?

 

また同じ杖でも高さが2~3種類分かれているのですが、交換は無料でレンタル中は自分に合った高さのものがあうのかどうか気軽に試すことができます。

 

さらに大きいのは6か月以内に限り、購入に切り替えた場合、レンタルでかかった料金分、杖の代金を引いてくれるというもの。

6か月レンタルすると約2万円かかるのですが、ここで購入にすれば、レンタルした分の金額は実質かからないことになります。

 

高い杖なので、余計な経費がかからないのは嬉しいです。

 

しっかり条件面を確認しながら導入を検討してみてもいいかもしれません。

過去の記事はこちら

rihaot.hatenablog.com

 

 

それではまた次回の記事でお会いしましょう。

【仕事】新人が辞めたくなる時期~入社1年編~

こんにちは。

 

昨年社会人になった方は入社してちょうど1年が経ちました。

職場にも慣れ、ばりばりと働いている方も多いかもしれませんが、1年で離職する方もいます。

そこで今回は入社1年で辞める人の割合や離職理由について取り上げます。

 

●入社1年で辞める人の割合

「また退職届が届いた」の写真[モデル:Lala]

平成29年から令和2年まで厚労省の出している新卒離職率のデータを見てみると約11%~13%が1年で離職していました。

毎年平均して1割の新卒者が退職するようです。

 

●看護師の場合

医療職の代表例として看護師をみてみます。

出典:日本看護協会「2021年病院看護・外来看護実態調査」

 

看護職の方が一般企業より新卒の離職率は少し低いようです。

専門職の方が転職がしやすいので離職が多いのかと思いきやそうではありません。

 

ただし、看護職の場合、既卒は退職率が高い傾向にありました

職業柄、転職もしやすく、経験者で自信もついてきていると転職しやすくなるようです。

実際、医療業界にいると職場を転々としている看護師さんに会うことも少なくないですし、データと一致する印象です。

 

加えて、看護師は奨学金の返済が離職に大きく関わります

看護師は専門学校や大学によって何年か指定された病院などで働けば、学生時代に借りたお金が減額もしくは完済されるシステムが多くあります。

この奨学金関連のことで新卒の離職率が減っているのかもしれません。

 

●辞めたくなる理由

「原因不明のエラーに頭がバグるプログラマー」の写真[モデル:大川竜弥]

1.福利厚生

給料が思ったより安かった、休みが思ったように取れない、勤務形態が聞いていたのと違った

こうした福利厚生面の問題で辞めてしまうのが一つです。

 

働いて見ないと分からない部分や給料のことは入職前に相談しにくかったり、昇給するからという話を聞いて入職するパターンもあります。

自分の思った部分と違うから転職する人も多いようです。

 

2.人間関係

人間関係は入ってみないと分かりません。

昔で言うお局さん的な方に嫌われて居場所をなくしたり、上司や同僚との不仲が原因で辞めてしまうというようねケースがあります。

 

皆がワイワイしたい人でもなく、静かにしたい人でもない。

個性ある人の集まりなので、難しい部分はあるのかもしれません。

 

3.社風や仕事内容

社風が厳格と思ったらゆるかったり、その逆もあります。

仕事内容も聞いていた内容と異なる業務を中心にこなさないといけず、悩んでしまう場合もあります。

特に社風は基本的には昔からいる上層部が作っているため、新卒者が変えていくのは現実的に難しいので、辞める決断となってしまうこともあるようです。

 

いかがだったでしょうか?

仕事も人生の一部であり、辞めたくなるほど辛い状態で働き続けたくはないですよね。

自分に合った職場を探しつつ、やりがいのある仕事を探していきましょう。

 

それではまた次回の記事でお会いしましょう。

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