こんにちは。
2023年3月下旬、理学療法士、作業療法士の合格発表がありました。
毎年多くの学生が理学療法士、作業療法士となり、病院などで働き始めます。
今回はその合格率から考えます。
●2023年度理学療法士国家試験合格率
理学療法国家試験の合格率は87.4%で、前回の試験よりも7.8ポイント上がりました。
合格者は11312人で、前回の試験よりも1216人増えています。
毎年1万人以上が合格する理学療法士試験ですが、今回は更に多かったようです。
●2023年度作業療法士国家試験合格率
作業療法士試験の合格率は83.8%で、前回の試験よりも3.3ポイント上がりました。
合格者は4793人で、前回の試験よりも185人増えています。
作業療法士は受験者数の伸びも少ないのか、合格者は5000人を下回りました。
合格率も上がったものの、理学療法士と比べると伸びは緩やかです。
●合格率の推移
理学療法士国家試験の過去数年の推移を眺めてみると、2017年に90.3%を記録した後、2018年81.4%、2019年85.8%、2020年86.4%、2021年79.0%、2022年79.6%となっていました。
そして、2023年の第58回の合格率が87.4%。
理学療法の合格率は25年前の第33回から13年前の第45回まではおおむね90%越えでした。
しかし、第46回に74.3%に下がった後、ほとんどが80%台の合格率となっています。
この合格率低下は理学療法士の過剰供給が懸念されたためであり、実際に都市部の病院で勤め先がないといった課題も出てきたいます。
ですが、今回は大幅に合格率が上がりました。
今回、なぜ合格率がここまで上がったのかは分かりませんが、今後も過剰供給の恐れは続いていきます。
高齢者の割合は増加していく日本ですが、いずれその時期もおさまり、人口減少に拍車がかかっていきます。
合格率を上げることは現役の学生が資格を取得するためには重要です。
ですが、その未来ある若者が安心して定年まで働ける環境は整えられているでしょうか?
今後どこかで過剰供給を抑えていかないと、資格は取ったものの、働き口がなく、働けない時代がくるかもしれません。
また、人が多ければ安く買い叩ける為、安月給で働かされる時代もくるかもしれません。
昨今、問題となっている介護士の給料の問題。
リハビリがそのような問題に直面する時代ももうすぐそこなのかもしれません……。
それではまた次回の記事でお会いしましょう。