作業療法つぶやきブログ

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現役作業療法士(OT)のブログ。不定期週2回12時更新。カテゴリー一覧はスマホの方はページ下部へどうぞ。

3時間のリハビリは体育祭なみ?

こんにちは。

 

回復期リハビリテーション病棟のリハビリは1日3時間行うことが多いです。

患者さんの「けっこうきつい」というような声を聞いたこともある方も多いのではないでしょうか?

実際にどう感じるのかとある方の体験談を取り上げます。

 

谷垣禎一さん

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出典:谷垣禎一 - Wikipedia

ご存じの方も多いと思いますが、谷垣さんは政治家で自由民主党総裁にまで上り詰めた人物です。

自民党総裁になりましたが、任期中は民主党が政権を握っており、史上2人目の内閣総理大臣に就任しなかった自民党総裁かつ任期中通して野党党首であった唯一の自民党総裁となっています。

 

自民党が与党に返り咲いてからも幹事長として活躍していましたが、事態が動いたのは2016年7月。

趣味であったサイクリング中に転倒し、頸髄を損傷してしまいました。

 

緊急手術などが行われましたが、現在も下肢は、自分ではほぼ動かせず、上肢も麻痺が残り、巧緻動作は難しい状態となっているそうです。

そんな谷垣さんは回復期リハビリテーション病棟の1日3時間をどのように語ったのでしょうか?

 

●体育祭なみ

谷垣・前自民総裁、2年ぶり公の場 車いすで官邸を訪問:朝日新聞デジタル

出典:https://www.asahi.com/articles/ASLB042WFLB0UTFK00J.html

谷垣さんが語ったのは1日3時間のリハビリは体育祭のトレーニングのような過酷さ

谷垣さんが元自民党総裁だからといって行われていた病院での生活は他の方と同じだったようです。

 

まだ、生活動作全般が全介助の時期にスタッフから言われたのは「リハビリは、退院後に少しでも自立した生活を送るためのもの。食事はベッド上ではなく、食堂へ行きましょう。パジャマは朝起きたら着替えましょう」。

回復期で働いたことのある方からすると、一般的な話かと思います。

 

谷垣さんはリハビリを行っても最初はスプーンや歯ブラシを持った手を口元まで持っていくのがやっとで、ひげもそり残しだらけだったそうです。

更に起立性低血圧もあり、ベッドから体を起こしただけで、血圧が一気に下がり、意識が遠のいたことも。

 

こうした状況でも行っていくリハビリは過酷だったようで、体育祭なみと表現していました。

 

●患者さんで考えること

谷垣さんが事故にあったのは70歳過ぎで、サイクリングを行うほど体力がある時期でした。

一方、私たちが現場で関わる方は80歳以上の方も多いのではないでしょうか?

 

健康体であった70過ぎの方でも3時間のリハビリはかなり過酷と話します。

より高齢の方々は私たちが感じている以上に過酷さを感じているかもしれません。

 

疲れているお風呂上りにリハビリがあるケースも少なくないと思いますが、実は患者さんはかなり堪えてリハビリをしているかもしれません。

実際に負荷量に対してどう感じているのか私たちはもっと考えていかないといけないかもしれませんね。

 

いかがだったでしょうか?

こうした生の声を聞けるのも非常に貴重な体験です。

どのように患者さんが感じているのか、しっかりと把握しながらリハビリしていきましょう。

 

それではまた次回の記事でお会いしましょう。