こんにちは。
リハビリでは歩行分析をするケースが多いです。
今回、日本の子どもと外国の子どもの歩き方の特徴を調べた研究がありました。
子ども時代の歩き方は成人になっても癖や筋肉の付き方として関係してきます。
歩き方に関わる人はどんなものだったのかぜひ見ていってください。
●研究内容
この研究は名古屋大学が日本の小学校児童における歩行の基準値を作成し、諸外国の子どもの歩行中の下肢の動きと異なることを突き止めたもの。
424人の児童に三次元動作解析装置を装着してもらい、データを収集しました。
更に先行研究を参考に6~8歳、9~10歳、11~12歳の3つのグループに分けてデータを作成しています。
では次に諸外国と比べる前に、高学年と低学年の違いから見ていきます。
●高学年と低学年の違い
ざっくり表現すると「歩容のきれいさ」が違います。
年齢が大きくなると、股関節と膝関節の屈伸の動きが徐々に小さくなり、足関節の動きはあまり変化がありませんでした。
つまり、不要な関節の動きが減り、より最小限のエネルギーで効率よく歩行できるようになったようです。
年齢別に見ても11~12歳の子どもは、足が地面から離れた時の膝が曲がる最大角度が小さく、歩行中の膝の可動域も少なくなりました。
では、次に日本と諸外国の子どもの歩き方の違いを見ていきます。
●日本の子どもと外国の子どもの違い
主な違いは以下の2点。
①股関節の動きがわずかに内股
日本の子どもたちは外国の子どもたちより歩く時に股関節が内旋しやすいようです。
理由は言及されていませんが、正座や床での生活様式など日本生活特有の理由が関係してきそうですね。
低学年から高学年になってもその動きは大きく変化せず、内旋傾向だったそうです。
②歩幅は短くなり、1分間当たりの歩数も増加
日本の子どもたちは高学年になるにつれ、歩幅やストライドが小さくなり、1分間あたりの歩数が増えました。
諸外国では歩行のテンポは変わらないか、歩数が少なくなる傾向があったそうで、こちらも大きく異なる結果となっています。
この2つの結果から日本特有の歩き方があるという事が分かりました。
リハビリでは歩行を評価します。
子どものリハビリはもちろん、こうした癖は大人になっても残り、老齢期に入ることには関節や筋肉にかかる負担に影響が出てくると言われます。
この内容を頭に入れつつ、対象者の歩き方を見ていきたいですね。
外国人の方のリハビリをする場合も日本とはベースの歩き方が少し違うというのも頭に入れておくといいかもしれません。
それではまた次回の記事でお会いしましょう。