こんにちは。
過去に東日本大震災の時の消防団の被害について取り上げました。
未曾有の大災害では多くの方が殉職されましたが、普段の消防団活動でも殉職されてしまった方はいらっしゃいます。
働き盛りの若い団員が犠牲となった事例、皆さんも他人事ではないかもしれません。
●殉職事例
2008年11月27日午前1時、青森県十和田市で建物火災が発生。
木造2階建ての2階部分約55平方メートルと、敷地内に隣接する木造2階住宅の2階部分約26平方メートルを焼き、物置焼け跡から60代女性の1人が遺体で見つかる痛ましい火災となってしまいました。
その火災の中、30代の消防団員、角田大介さんが消火活動中に頭を強く打ち、外傷性くも膜下出血で殉職される事故が起こってしまいます。
原因は「消防ホースや筒先が頭を直撃したこと」
角田さんが消火活動を行っていた時、十和田消防署の消防隊員がはしごに昇って消火活動をしていました。
しかし、ホースが手元から離れて落下し、ホース先端の水量調節用の金具が、下にいた角田さんの頭を直撃したそうです。
直撃を受けたヘルメットにはひびが入っていたそうですから、その衝撃の強さが分かりますね…。
火災消火後は業務上過失致死容疑で捜査も行われたそうですが、その後については詳細不明でした。
●この事例から言えること
この事例から言えることは「ホースの射程圏内にうかつに入らない」。
現役の消防士の方に聞くと、「足場が悪く、ホースが逃げてしまうことはある。」と回答を頂きました。
今回もはしごに昇っての消火活動中に事故は起こっています。
突然、火や煙が噴き出して驚いたり、大量の水で手元が滑ることは人間である以上起こり得ます。
高所で作業している場合はホースが飛んでも当たらない距離を測りながら活動する必要がありますね。
また、下にいる人間は目を切らないことも大切です。
もちろん、目を切らなかったから避けられるということではありませんが、少しでも命の危険は減らせるかもしれません。
まずは距離を取り、どんな危険が今潜んでいるのか考えていきたいですし、特に火災現場では指示系統の元動くので、団長などには危険予測をしっかり行ってもらいたいです。
いかがだったでしょうか?
今回の事例のように若い方が不慮の事故で亡くなってしまうケースは存在します。
亡くなられた角田さんには小さな子どもさんがいたようです。
普通に働き、熱意を持って消防団活動にも尽力されていた方が亡くなってしまう。
明日にもこうしたケースは起こるかもせれません。
1つのミスやかけちがいで大きな事故が起こると火災現場では肝に銘じたいですね。
まずは生きて戻る自助を最優先に。
私も含めて皆さんもリスクを最小限にして動いていきましょう。
今後、このようなことが二度と起こらないことを願います。
それではまた次回の記事でお会いしましょう。