こんにちは。
今年の7月28日で神奈川県相模原市の障害者施設「津久井やまゆり園」での殺傷事件から5年が経ちました。
当時、私は主に老年期として中年~高齢者のリハビリを行うことが多く、知的障害や重症心身児(成人後含む)などのリハビリを担当することがありませんでした。
現在は訪問リハビリ勤務となり、知的障害や重症心身児(成人後含む)のリハビリを行うこともあります。
そこで感じたこと、この事件について感じたことを書いていきます。
●やまゆり園の事件
この事件は2016年7月28日に植松死刑囚が「意思疎通が取れない障害者はお金と時間を奪うからいらない」という独自の判断でやまゆり園の入所者を次々と襲った事件です。
19人が亡くなり26人が重軽傷を負う非常に痛ましい事件となりました。
元職員が犯行に及ぶということも当時はすごい衝撃でした。
自己の勝手な考えで犯行に及んだ犯人ですが、施設で働いていたことから施設がどのように運営されていたかなども一部では話題になりましたよね。
いずれにしても凄惨な事件で犯人の肩をもつことは到底できません。
現在は慰霊碑もできています。
出典:https://news.yahoo.co.jp/articles/0e03fee26ee8babc9ab9e07168c03f3a85b650b2
では、私自身が障害のある方やその家族と関わって感じたことを次に書いていきます。
●様々な方に関わって
知的障害などを持って成長されている方々と訪問リハビリで関わりました。
その中で感じたのは「意思疎通が難しくても感じ取る力は人一倍ある」ということです。
リハビリ中、発語もなく、話しかけてもこちらを向くような反応もバラバラです。
しかし、反応が乏しいので、静かにしていると不機嫌になり、怒り出すことがあります。
反対にニコニコ話しかけながらしていると、笑顔で過ごしてくれている日もあります。
私たちの話し方、身振り手振り、触り方、それぞれによってその日の反応がすごく変わることを実感します。
もちろん利用者さんからはなにかこちらに話しかけてくることはありません。
ですが、それでも機嫌や態度が変わります。
私たちがどう考え、どう接しているのか本当に感じてくれているんだなと感じます。
私自身、不機嫌になられた次の回に自分の態度面や接し方を変えてみると反応がすごく変わることを経験しました。
それだけ感じ取ってくれているんだなと感じます。
また、親御さんからは私が老年期以外の経験が少ないことに理解を示しながら、「知識や経験がなくても一人のひととして見てほしい」ということを言われました。
「なにかの障害や疾患の人、意思疎通が難しい人」などと捉えるのではなく、ちゃんと個人として見てほしいということですね。
人間それぞれ個性があります。
意思疎通ができないから個性がないわけではありません。
ちゃんとその人個人の個性を見ていくことが大切です。
私自身、経験させて頂く中で、犯人の思考はやはり間違っていると感じました。
もちろん、障害を持たれた家族さんで悩んでいるご家庭も多く存在します。
しかし、一概に全ての意思疎通が困難な人がお金と時間を奪うのかというとそうではありません。
1人ひとり大切な個性があり、大切な家族さんがいます。
自分の尺度で物事を判断するのではなく、個人を見て、しっかりと関わっていく。
今後も色々な利用者さんとの出会いを大切にしていきます。
ではでは。