作業療法つぶやきブログ

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現役作業療法士(OT)のブログ。不定期週2回12時更新。カテゴリー一覧はスマホの方はページ下部へどうぞ。

【小児】早産児の特徴

こんにちは。

 

 今回は早産児の特徴について取り上げます。

小児のリハビリに携わっているかに関係なく、自分が親になる、周りが親になることはあります。

特徴を抑えながら注意していく点など整理できればと思います。

 

●早産児とは

早産時になるかどうかはお腹の中にいた期間で決まります。

分類では在胎37週までに生まれた場合、早産児となります。

28週までなら超早産児となり、42週を越えて出てこない場合は過期生児となります。

 

早産の場合、発達しきれず出てくることも多いです。

体重が2500g未満であれば、低出生体重児となり、1500g未満は極低出生体重児、1000g未満は超低出生体重児となります。

 

●特徴

目や脳、心臓など様々な部位に影響が出ることがあります。

・未熟児網膜症を生じやすい()

・脳室内出血(IVH)や脳室周囲軟化症(PVL)を生じやすい()

・経管栄養や経腸栄養が必要(食べる、飲み込み)

・無呼吸や新生児子窮迫症候群(RDS)を生じやすい()

動脈管開存症(PDA)を生じやすい(心臓)

・感染しやすい(免疫)

他にも胎内での運動経験が不足します。

 

●感覚運動経験

 

まずは運動経験です。

胎児はお腹の中で動くことで、自分の身体がどんなものなのか(ボディイメージ)を作ります。

自発運動は9週頃から出現します。

その後、25週頃からは手足を動かし、色々な経験を積みます。

例えば、脚を動かしてお母さんのお腹を蹴ります。

脚を動かすことで自身の脚が曲げ伸ばしする感覚を感じ取れ、動かし方や脚の長さなども感じます。

お腹を蹴ることで触覚や圧覚からの情報も入ってきます

 

 感覚経験では外からの音や光を経験します。

その際、胎児は腹壁や羊水で軽減された感覚情報を取り入れます。

例えば、光刺激であれば、外の光の約2%が胎児に届きます。

非常に優しい刺激ですよね。

いきなり多くの刺激が入ることは生まれてからの負担が大きいです。

ですから、お腹の中にいる間に少しずつ感じているわけですね。

他にも胎内音や昼夜のサイクルといった感覚情報も経験します。

 

 

生まれるまでの準備が色々となされて出産となるわけですが、早産児ではこれらの経験が少ない状態で生まれてきます。

運動経験が少ないので、自分の身体がどうなっているか分からず、動きにくいのは仕方のないことです。

また、感覚経験が少ないので、大きな音などでストレスを感じやすくなっていても仕方ありません。

特に早産で集中治療室(NICU)に入ることになると、アラームなどの大きな音や点滴などでの痛み刺激、家族と関われない時間により、よりストレスが増大します。

 

リハビリで関わる場合は感覚刺激も大切ですし、親として関わる場合もしっかりと身体を触りながら、声掛けをしながら関わる必要があります。

リハビリで関わる時にはこうした経験をしているのかを考えないといけないので、周産期の確認は必須です。

 

早産であると経験が少なく生まれてくるということを頭に入れながら、優しく、でも子どもが不快にならない程度の積極さで触れ合っていきましょう

 

ではでは。