作業療法つぶやきブログ

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現役作業療法士(OT)のブログ。不定期週2回12時更新。カテゴリー一覧はスマホの方はページ下部へどうぞ。

【小児】自閉症スペクトラム障害(ASD)の特性と支援のポイント

こんにちは。

 

 以前、ADHDの特徴について取り上げました。

 

rihaot.hatenablog.com

今回は自閉症スペクトラムASD)の特性や支援について取り上げます。

 

ASDとは

 ASDとは自閉スペクトラム症を指します。

少し前で言えば、自閉症高機能自閉症アスペルガー症候群と呼ばれていたものです。

人との関わりやコミュニケーションなどの社会性の障害や、想像力の困難、過度のこだわりを示す障害です。

 

2013年よりAutism Spectrum DisorderとDSM5(アメリカの診断基準)で提唱されたことで使われ始めました。

 

●特性

6つ挙げます。 

①シングルフォーカス特性

複数の事柄を同時に意識して考える、あいまいな事柄を理解することが困難となります。

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②シングルレイヤー特性

言葉を文字通り受け取り、冗談が通じないこともあります。

 

③想像力の困難さ

「~できません」など、否定語表現では理解しにくいです。

 

④先の見通しを立てることが難しい

先を見通せず、ストレスや不安を感じやすいです。

 

⑤独特な考え方・理解

本人が意図せずに周囲を混乱させてしまうこともあります。

 

⑥共感よりシステム化重視

自らの意思決定基準を共感的なものより論理的なもので行います。

「何のためにするのか」が不明確なものに抵抗を示します。

 

 

●支援のポイント

Smiley, Emoticon, Anger, Angry, Anxiety, Emotions

①シングルフォーカス特性

×「お友達に優しく、意地悪しないでね。」 

〇「お友達にはおもちゃを貸してあげて(具体的で明確な答え)」

 

②シングルレイヤー特性

×「お風呂のお湯を見てきて(文字通り受け取り、お湯を止めない)」

〇「お風呂が半分たまったら止めて」

 

③想像力の困難さ

×「廊下は走らないように」

〇「廊下は歩きましょう(肯定表現)」

 

④先の見通しを立てることが難しい

・予定を表にする

・学習内容や量を事前に取り決めて行う

 

⑤独特な考え方・理解

・なぜそう思うのか確認する(大人とは別の思考をしている可能性がある)

 

⑥共感よりシステム化重視

例:小6の子が小3の問題を出されて怒っているとき

×「嫌がられたので小6の課題を行う」

〇「考えに共感しながら、小3の問題から取り組む必要性を説明し、課題を行ってもらう(共感だけでなく、論理的な視点から介入する)」

 

いかがだったでしょうか?

関わりの中で基本的な部分を書きましたが、教科書通りにはいかないことも多々あります。

大人も子どもも個性があって十人十色です。

ASDだからではなく、その子の個性をよく見ながら関わっていきたいですね。

 

ではでは。