作業療法つぶやきブログ

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現役作業療法士(OT)のブログ。不定期週2回12時更新。カテゴリー一覧はスマホの方はページ下部へどうぞ。

【健康・リハビリ】新薬誕生で変わるアルツハイマーのリハビリ

こんにちは。

 

2021年6月初旬にアルツハイマー認知症に対する新薬が米国で承認されました。

米バイオジェンとエーザイが共同開発した「ADUHELM(アデュカヌマブ)」というものです。

これは従来の薬と異なり、認知症の進行を食い止める効果があるとされています。

どんなものなのか見ていきます。

 

アルツハイマー認知症のメカニズム

まず、薬の前にアルツハイマー認知症について確認します。

アルツハイマー認知症に関係するのは「アミロイドβ(タンパク)」です。

これはいわゆる脳の老廃物で通常は排出されているのですが、異常で大きなものが溜まり始めると脳細胞の周囲に存在し、脳細胞を死滅させてしまいます。

認知症が発生する20年ほど前から溜まり始め、脳細胞が死滅していくのにあわせて徐々に物忘れなどが生じてきます。

生活習慣なども関わるので、アミロイドβだけが悪さをしてアルツハイマー認知症になるというわけではないのですが、大きな要因として現在も言われています。

 

●新薬の効果とメカニズム

米国でのアデュカヌマブ迅速承認で広がる波紋と懸念、そして日本導入への課題:日経バイオテクONLINE

出典:https://bio.nikkeibp.co.jp/atcl/column/16/100400036/061400015/

今回登場した、「ADUHELM(アデュカヌマブ)」はこのアミロイドβタンパクの脳内蓄積を減少させる薬です。

従来の薬ではアミロイドβに直接作用するものはありませんでした。

 

治験では1000人を超える認知症初期患者やアルツハイマー認知症患者が参加し、いくつか行われた治験のうちの1つで「認知機能低下を22%抑制できた」という結果が出ました。

 また、その際いくらかアミロイドβの減少を確認できたようです。

 

更なる治験が求められてはいますが、多くの対象者に用いられていくので、今後の動向からは目が離せません。

 

また、治験のデータについても完全に効果があるというデータでなくとも今回承認がされました。

承認がされやすい分野については他社もアミロイドβへ作用する薬の開発を活発化させる可能性が高くなるので、アルツハイマー認知症への治療薬にアンテナは張っておいた方がいいかもしれませんね。

 もしかすると急にまた新薬の話が出てくるかもしれません。

 

●リハビリはどう変わる?

パンフレット]認知症予防に向けた運動コグニサイズ

出典:

https://www.ncgg.go.jp/ri/lab/cgss/department/gerontology/documents/cogni.pdf

では、リハビリはどう変わるのでしょうか?

現在は進行を遅らせるために脳トレ、回想法、集団リハビリ、コグニサイズなどが行われています。

ですが、もし薬で進行が抑制できるなら生活習慣の見直しなどで認知機能の維持、もしかすると改善といったリハビリが誕生してくるかもしれません。

 

 先にはなるでしょうが、新薬を用いてリハビリと併用した場合の研究も出てくる・行える可能性があるので、注目しておきたいですね!

 

 

少し前にJUDGE EYESというゲームで認知症治療の新薬の話が出ていました。

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出典:https://judgment.sega.com/judgeeyes/

ゲームでは薬をめぐって様々な問題が生じていましたが、夢の新薬登場の日がいつか来るのかもしれません

 

エーザイの株価も発表前は7000円台だったのが、あっという間に10000円を突破しました。 

多くの人が実用化すればそれだけの価値があると思っているということですね。

 

夢の薬に期待しましょう!

 

ではでは。