こんにちは。
今回はADHD(注意欠陥・多動症もしくは注意欠陥・多動性障害)について取り上げます。
ADHDは今でこそ一般的に使われていますが、昔から本当は多かった症状だとも言われています。
ですので、ADHDは診断こそついていないものの、大人にも隠れている可能性がある症状です。
今回はADHDとは、その特性、支援のポイントについて取り上げます。
●ADHDとは
定義はこちらになります。
「年齢あるいは発達に不相応に、不注意、落ちつきのなさ、衝動性などの問題が、生活や学業に悪影響を及ぼしており、その状態が6ヶ月以上持続していること」
脳機能の発達や成熟の偏りといった可能性が考えられていますが、原因ははっきりしていません。
分類は大きく分けて3つです。
- 不注意:注意を向けたり、持続が苦手→間違いが多い、片付けが苦手
- 多動性:落ち着きがなく、じっとしていられない→立ち歩き、騒ぐ
- 衝動性:自分の行動を制止・抑制が困難→順番待ちが困難、手が出る
では、もう少し細かく特性をまとめます。
●特性
①注意のコントロールが苦手
適切なところに注意が向きにくいです。
そのため、理解しているようで理解できていないことがあります。
②ワーキングメモリーや短期記憶に問題がある
ワーキングメモリーとは作業に必要な記憶を一時的に保持する能力です。
例えば、暗算をする際に繰り上がりや繰り下がりを保持したり、電話をかける際に一時的に電話番号を記憶する、お湯を沸かしている間に沸かしていることを記憶しながら掃除機をかけるなど様々な生活場面で関わってきます。
つまり、情報処理に必要な能力です。
ここが働きにくくなるため、たくさんのことを言われると、情報処理が追い付かず、混乱してしまいます。
③報酬系の機能低下
未来の報酬に対して感じにくいです。
つまり、学業でも仕事でも将来を予測して頑張れなくなります。
④適応的な行動がとりにくい
授業中に騒ぐなどその場にそぐわない行動をとりやすくなります。
つまり、その場に適した行動がとりにくいです。
そのため、叱責や罰を受けることが多く、行動が萎縮していくことがあります。
⑤衝動的であるため、興奮状態であるように思われる
衝動的であるため、興奮状態に見えるかもしれませんが、逆です。
脳機能障害であるため、普段の覚醒状態は低くあります。
覚醒状態が低いため、不注意になったり、衝動的になったりします。
●支援のポイント
特性の①~⑤に対応する形でポイントを挙げていきます。
①名前を呼び、返事があってから話し出す
注意がしっかりとこちらに向いてから関わることが大切です。
もし、周囲の音で集中できない場合は物静かな環境など周囲の環境調整も必要になるかも知れません。
②タイミングを分けて別々に伝える
一度に多くの情報処理は難しいです。
例えば、「ご飯を食べたら、お風呂に入って、宿題が終わったら明日の準備をして寝なさい」ではなく、「ご飯を食べる」、「お風呂に入る」、「宿題をする」、「明日の準備をする」などのワードを適切なタイミングで別々に伝えることが重要になります。
③声かけをしてほめる
1つ課題を終えたところで褒めます。
そうすることでこうすれば褒められるという報酬の予測が学習されていくかもしれません。
また、褒められることで脳が報酬を受け取り、次の行動も促しやすくなります。
④適切な行動を定める
食事中にうるさくしてしまう場合、「食事中は黙る」、「口にものが入っている場合は黙るなど」適切な行動の目標を決め、できたら褒めます。
⑤覚醒水準を高める
軽い運動などを行い、脳の覚醒水準を高めます。
これにより、注意力の向上や衝動的な動きの抑制になることがあります。
いかがでしたか?
ADHDは診断数が増えてきており、小児にとっては身近な問題になってきています。
一方で診断数が増えているという事は過去は見逃されていたものである可能性があるため、我々、大人が実は持っている症状なのかもしれません。
いずれにしても特性を知り、サポートの仕方を知っておくことで学校や会社でしっかりとした体制が取れると思います。
知識を持ってしっかりと考えて行動していきたいですね。
ではでは。