こんにちは。
本日は「Inefficient muscular stabilization of the lumbar spine associated with low back pain. A motor control evaluation of transversus abdominis(腰痛に関連する腰椎の非効率的な筋肉の安定化。腹横筋の運動制御評価)」についてご紹介します。
腰痛は多くの日本人が悩み、経済的な損失は年間300万円とも言われています。
今回はそんな腰痛に対して腹横筋を鍛えることが有効性があるかもしれない情報についてご紹介します。
●腹横筋とは
腹横筋は一般的に腹筋と言われる筋肉を構成する中の一つの筋肉です。
腹斜筋よりも内側にある深層筋です。
体幹を動かすのに作用するのではなく、身体を動かす際に腰椎(背骨の腰部分)を安定させるために働きます。
普段からのきれいな姿勢を保つことやお腹がぽっこりと出ないためにも重要となる筋肉です。
●論文の内容
今回の論文ではまず、腰痛持ちの人とそうでない人を15名ずつ集めました。
そして、立った状態で刺激が出たところを触ることを繰り返し、手を伸ばした際のお腹周りの筋肉についての反応を見ました。
結果、腰痛持ちでない人は腕を外や前など様々な方向に伸ばした際に、まず腹横筋が最初に反応していました。
一方で、腰痛持ちの人は腹横筋の反応が常に遅れていました。
先にも述べたように腹横筋は腰椎の安定に関わります。
つまり、
「腰椎の安定が遅れる→脊柱(背骨)の安定性が悪い→背中の筋肉に過度の負担を強いる→腰痛の発生・増悪」
この流れが出来上がります。
では、腰痛を悪化させないように腹横筋を鍛えるにはどうすれば良いのか、次に見ていきます。
●腹横筋の鍛え方
出典:ドローインの効果と正しいやり方|体幹トレーニングでお腹を絞る
鍛え方は「ドローイン」です。
お腹の筋肉を鍛えるというと腹筋をするというイメージもあると思いますが、腹筋だと腹直筋など体幹を動かす表層の筋肉が鍛えられます。
腹横筋は深層にある筋で体幹の安定性を上げ、直接的に動きに関わる筋肉ではないため、方法が異なります。
ドローインとは「お腹をへこませたまま、腹式呼吸を行う」ものです。
まずは腹式呼吸ができることが大前提ですので、腹式呼吸ができない方は腹式呼吸の練習から始めましょう。
腹式呼吸ができるようになったら、お腹をへこませたまま、息を吸ったり吐いたりします。
だいたい5回・3セットなどからはじめるといいかもしれません。
このへこませたままというのが、意外にきついです。
図のように寝たまま脚を曲げた状態もできますが、座った方が効果的という研究もあるため、椅子に座ってできる人は座ってやるのも効果的です。
便秘解消などにも効果があるようなので、ぜひ試してみてください。
腰痛は本当につらいので、しっかり予防していきましょう!
ではでは。