こんにちは。
先日。神経発達障害について取り上げました。
今回は神経発達障害の一因としてどのようなものがあるのか、養育環境は影響するのかについて取り上げます。
●養育環境で神経発達障害は生じるのか?
一般的な養育環境での発症は「ない」とされています。
一昔前は育て方を気にすることもあったようですが、現代では一般的な育て方で発症することは否定されています。
ただし、虐待(過酷な育て方)を受けるなどして愛着形成障害が残ると、発達障害とよく似た症状や神経発達障害の悪化を招くとされています。
親から無視され続けたり、身体的・精神的な暴力行為を受ければ、対人関係がうまく築けなくなることも想像できますね。
神経発達障害を発症するかどうかについては分かってはいませんが、あくまで似た症状や悪化するということで、神経発達障害そのものとは異なると考えられています。
めちゃくちゃな育て方をしたなら別ですが、一般的な育て方をしていた場合には育て方によって発達障害が起こるとは考えられていません。
では、どのようなことが原因として考えられているのでしょうか?
●原因
一つ言われているのは「遺伝」です。
子どもが神経発達障害と診断されたときに親や親類が神経発達障害を持っている場合があるようです。
ただし、親類に神経発達障害の方がいるからといって必ず発症するわけではありません。
脳梗塞などと同じで家族歴があると発症リスクは多少ある可能性があるとされていますが、絶対ではありません。
神経発達障害の一つである、自閉スペクトラム症では一卵性双生児であっても二人同時に発症する率は50~80%とされています。
遺伝によって確実に遺伝する場合であれば一卵性ではもっと高い確率になります。
遺伝子レベルで発症する可能性はありますが、絶対ではないので、両親にとっても発症しても自分たちのせいではありません。
自責の念に駆られる方もいるとは思いますが、必ずしも親の責任ではないということは伝えておくと良いです。
一方でコントロールできる原因もあります。
それは、たばこやアルコールです。
オーストラリアの研究から妊娠6~7週目にアルコールを週6日以下、毎日飲むなどした場合は影響が出るとされました。
アルコールを週6日以下ではうつなどの傾向がやや高くなり、毎日飲んでいた場合には10歳までに注意欠陥多動障害(ADHD)と診断される確率が25%も増加しています。
子どものことを考えれば、妊活中はお酒やたばこは控えた方がよさそうですね。
いかがだったでしょうか?
一般的な養育環境が原因で、神経発達障害は発症しません。
もし育て方で思い悩む方がいたら、育て方ではないと声をかけてあげてください。
そうすれば、少し気持ちも変わるかもしれません。
ではでは。