こんにちは。
今回は神経発達症(神経発達障害)について取り上げます。
小児に関わる現場で働かれている方はもちろん、親になっている・親になる人からしても知っている方が良いことと思います。
神経発達症(神経発達障害)とはなんなのか、どんな症状(個性)があるのか、大切なことについて取り上げます。
●神経発達症(神経発達障害)とは
従来の発達障害を指します。
「脳の働き方の個性が強く、物事のとらえ方や行動の仕方に違いがあるため、日常生活に困難がある状態」
この状態ですね。
アメリカ精神医学会の診断基準であるDSMⅣが2013年にDSM5に改定されたことで名称が発達障害から神経発達症(神経発達障害)へと改定されました。
呼び方が2つあるのは英語を和訳すると最後に「障害」を意味する英単語が来るのですが、障害となると成長していく中でマイナスのイメージを持たれやすいことなどを考慮し、「症」ともしています。
脳の機能の偏りによって生じるので、個性(特性・症状)をなくすことは困難です。
そのため、周囲の対応や環境の調整、社会的に過ごすための関わり方を子どもが学んでいくことが大切になってきます。
●どんな症状(個性)があるのか
DSM5ではこのような図になります。
出典:DSMⅣからDSM5への改訂で発達障害が神経発達障害と総称されます。 - 発達に課題のある児童の早期発見・早期療育をめざして
一部を抜粋するとこのようなものがあります。
〇知的能力障害群(ID)
知的発達の遅れ、適応能力の遅れ。
〇 自閉スペクトラム症(ASD)
対人関係など社会性の困難さと、こだわりなどの同一性保持を示す。
2013年よりAutism Spectrum DisorderとDSM5で提唱されたことで使われ始めた。
〇限局性学習症(SLD)
知的な遅れは見られないが、特定の読み書き計算に困難さを生じる。
〇注意欠陥多動性障害(ADHD)
不注意、多動、衝動性を示す、行動抑制の障害。
〇発達性協調運動症(DCD)
いくつかの動作を協調的に行う事が苦手で、「手先の不器用さ」や「運動能力の低さ」が目立つ状態。
●大切なこと
①子どもの特性を理解する
保育園に行くなど、集団生活が始まれば、子どもの特性が見えてきます。
特に集団行動では弱い部分がよく見えます。
早くから子どもの特性を理解し、適切な対応ができれば、子どもの心を安定させ、その子どもが持っている個々の能力を伸ばしていくことができるので、子どもの特性を理解することは大切です。
また、早くから対応できれば、劣等感・孤立感の強まりなどの心理面の問題や、不登校や周囲の大人への反抗的な言動などの行動面の問題を予防しやすくなります。
②社会資源を活用する
子どもを取り巻く環境は親だけではありません。
保育園や学校、地域のサービスについても活用できるものを確保し、連携していくことが重要になってきます。
いかがだったでしょうか?
リハビリでは小児の施設や訪問などで小児のリハビリに関わることがあります。
また、リハビリで関わらなくても我が子や周囲の子がなんらかの症状が出てくる可能性があります。
いざ自分がなにか関わる立場になった時に関われるような知識を持っておくと良いかもしれませんね。
ではでは。