こんにちは。
今回は訪問看護ステーションからの訪問リハビリは増加傾向にあるのかについてご紹介します。
昨年、訪問看護ステーションの人員配置が看護師:リハビリ=6:4になるかが大きな話題となりました。
結果、経過措置となりましたが、多くのセラピストの失職、8万人ものリハビリ難民の増加が起こる事態でした。
そこでも上がっていた訪問看護ステーションの肩書で、訪問リハビリをどんどん行っていたのは事実なのか取り上げます。
●訪問リハビリの回数の経年変化
問題視された訪問看護ステーションから訪問に行ったリハビリ職の割合の図はこちらです。
青が看護職員、ピンクがリハビリ職です。
折れ線グラフが全体におけるリハビリ訪問割合です。
折れ線グラフにあるようにリハビリ職の訪問割合は増加しています。
これを見ると訪問リハビリが訪問看護ステーションであるにも関わらず、実質的に自分たちで開業しているように見えますよね。
ですが、これにはカラクリがあります。
このグラフは看護師は30分でも1時間でも訪問回数が1回であるのに対して、リハビリは20分が1回と計算されています。
つまり、60分リハビリを行えば3回で計算されます。
看護師は1時間であっても1時間半であっても1回となるので、このグラフからは実際の現場の状況は見えません。
では、請求金額で見た場合はどうなるのでしょうか?
●請求金額から見た訪問リハビリの訪問割合
先ほどと全然割合が違いますよね。
先ほどの図は半数がリハビリ職が行った割合であったのに対して、請求額で見るとここ数年は約3割で推移しています。
全体で見ると6年間も横ばいであるのになぜ今頃問題視されてきたのでしょうか?
●問題となったのは何?
問題となったのはリハビリ職をほとんどの職員(80%以上)が占め、要支援の人ばかりでコストを稼いでいるステーションです。
本来、訪問看護ステーションは在宅で過ごすことや看取りに関わることが多いのに、ここに対してリハビリ職だけでは無理ではないかということですね。
そうしたことから問題となりました。
では、リハビリ職が多くを占めているステーション数を見ていきます。
こうなりました。
80%以上をリハビリ職が占める職場はわずか0.4%です。
このためだけに8万人ものリハビリ難民を出すのかということです。
割合の計算方法と言い、一方に寄ったデータで話し合いがされているんですね。
●色々なデータで見る割合
最後に色々なデータから看護職員とリハビリを見てみます。
どうでしょうか?
最初の図のような計算方法(看護師は何分でも1回、リハビリは20分で1回)であれば、一番右の様になります。
しかし、件数、金額、時間で見た場合は2割~3割がリハビリの割合です。
これでもリハビリが本来の目的と逸脱して動いていると言えるのでしょうか?
データは見せ方によって本当に印象が変わります。
今回は結果的にリハビリが締め出されそうになりました。
私自身の印象ですが、在宅で過ごす方にとっては主治医、看護師、リハビリ、ケアマネ、デイなどの施設の従事者が協同することで一番その方にとってより良い生活が実現できると思っています。
訪問看護ステーション最大のメリットはリハビリと看護師が顔を合わせてお互いに意見を言い合える環境です。
今後も顔をあわせて言いたいことを言い合い、利用者さんのより良い生活を一緒に作っていく。
そんな仲でありたいなと思います。
ではでは。