こんにちは。
今回は令和3年度からの介護保険改定で訪問リハビリの短期集中加算が強化されたことについてご紹介します。
退院後、早期からの訪問リハビリステーションからのリハビリ頻度の上限が引き上げられました。
もう確認された方もいると思いますが、改めて短期集中加算について、今後の流れについて取り上げていきます。
●短期集中加算とは
通常訪問リハビリの実施回数は20分を1回として週6回を限度としています。
40分なら週3回、60分なら週2回ということです。
ですが、退院から3ヶ月以内の利用者さんについては退院・退所直後のリハビリテーションの充実を図る観点から、週12回まで算定を可能とされました。
40分なら週6回、60分なら週4回ということです。
かなり手厚くなりましたよね。
訪問リハビリ自体の算定も上がっています。
リハビリそのものへの国の期待もあると思いますが、どういうものを意図して国が変えてきたのか考えていきたいと思います。
●短期集中加算のねらい
「早期退院・入院期間の短縮」
これが国のねらいですね。
要は地域包括ケアシステム構築による医療費の削減です。
短期集中加算のイメージとしてはこのようになります。
リハビリは急性期→回復期→生活期の流れがあります。
回復期で一番リハビリの量が増えるのですが、その一部(黄緑色)を生活期へ流そうというわけです。
要は「手厚くしたから早く家に帰ってリハビリしていきましょう」ということですね。
リハビリの算定金額が向上し、上限回数も緩和されましたが、良い部分だけではありません。
どうなっていくのか見ていきます。
●今後の流れ
早く自宅へ帰るという事は病院でのリハビリが減るという事です。
現在、回数として最も手厚いリハビリは「回復期リハビリテーション病棟」でのリハビリです。
この期間が減らされてくるかもしれません。
回復期には現在、「実績指数」といって日常生活動作の介助量軽減(動作の自立)及び入院日数から求められる数値が導入されており、一定の数値に満たないと入院量が減算されるようになっています。
国は早く帰したいので、この実績指数がますます厳しくなる可能性があります。
回復期自体が儲からないとなると病院も病床を変換してくるかもしれません。
回復期はかなりのリハビリ職が働く環境なので、回復期病床が減るという事は働き口が減ってしまうんですよね。
じゃあ訪問に行けばいいのかというと、訪問リハビリステーションは医療機関や老健とセットでないと開業ができません。
訪問看護ステーションは人員配置の問題がまだ残っていますから、今後もリハビリ職が安心して働ける環境とは言い切れません。
どこで働くにしても不安は残ります。
しかし、団塊の世代が後期高齢者になる2025年はまだこれからです。
高齢者が多いタイミングで病床数が減ったり、リハビリができなくなる環境は考えにくいです。
その先についてはまだ分かりません。
団塊の世代の子ども世代は比較的多いですし、リハビリがなくても困らない世の中にはまだまだならないと思われます。
ですが、私含め、定年までまだ30年以上あるという方は職に困らないような準備は必要です。
例えば、
「自己研鑽を積み、どこでも引く手あまたになるくらい自分のセラピストとしての価値を高める」
「所属する組織で自分の立場を確立する(管理職など)」
一生働くのであればこういったことは必要になってくるかもしれません。
今後、どうなるか確実なことは分かりません。
ですが、どうなっても自分がしっかりと働ける環境を作っていきたいですね。
みんなで頑張っていきましょう。
ではでは。
ではでは。