作業療法つぶやきブログ

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現役作業療法士(OT)のブログ。不定期週2回12時更新。カテゴリー一覧はスマホの方はページ下部へどうぞ。

【脳画像】中心溝を同定しよう

こんにちは。

 

以前より、脳画像についてMRIやCTとはどんなものなのか、各高さの見方を紹介しました。

本日は運動野・感覚野を始め、脳の各部位を同定していくために必要な「中心溝」の見つけ方を紹介したいと思います。

 

まず、中心溝の特徴について2点あげます。

1.大脳縦裂と交わらない

2.他の脳溝と合流しない

 

1.では大脳縦列と言ってCTを取った時に真ん中縦に走る溝があります。

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写真真ん中の縦線です。ここに交わることはありません。

 

また、2.であるように他の脳溝とも交わりません。

この2点を押さえておいてください。

 

次に見つけるにはどうしていくのがいいのかについて3つ方法を紹介します。

帯状溝辺縁枝法

②上前頭回法

③逆Ωの字法

 

帯状溝辺縁枝法

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まず、先ほど挙げた大脳縦裂を探してください。

次に最初に外側からぶつかる溝が帯状溝辺縁枝となります。真ん中少し下にある、大脳縦列から少し外へ伸びているようにも見える小さな溝がありますよね。その延長線上が中心後溝になります。

中心後溝は中心溝の1本後ろの溝になるので、中心後溝の1本前が中心溝となります。

 

②上前頭回法

先ほどの画像で確認していくと、大脳縦裂に接する上前頭回を同定します。

次に上前頭回に斜め前方から接触してくる溝が中心溝となります。

 

③逆Ω(オーム)の字法

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まず、逆Ω(オーム)の形を探してください。それが中心溝になります。

中心溝の前が中心前回、後ろが中心後回になります。

 

中心溝がΩの形状で見える高さの中心前回は手指の運動領域とされ、Precentral 

 knobと呼ばれます。この位置の病変では手指に限局した麻痺が出現してきます。

 

いかがだったでしょうか?

個人的には①と③の方法で見つけていくことが多いです。脳画像は教科書だときれいな溝が見えるのですが、実際は人により脳溝の大きさが違っていたり、CTで左右が少し斜めにうつされて見えにくい時があります。

一番シンプルなのは③の方法だと思うのですが、画像をスライス(分割)してみる際に逆Ωに見えるいい高さがない場合もあります。

 

とにかく症例数を見ながら見慣れていくしかないですね。

中心溝の同定はどこが障害されているか分かりやすくなります。前後だけではなく、見つけてから高さを変えて他の溝の位置もチェックすることで脳のどの部分が障害されているのか分かってきます。

 

脳画像はあくまで「臨床のヒント」であって答えではありません。しかし、ヒントがないと予後予測や症状の予測も行いにくいことは間違いないです。

しっかりとヒントを得られるように見ていきたいですね。

 

ではでは。