こんにちは。
筋萎縮性側索硬化症(ALS)をはじめとして神経難病の方のリハビリをすることは特に訪問では少なくないと思います。私の地域は土地柄なのか全国平均より神経難病の方が多いんですよね。脳梗塞や骨折後のリハビリと異なり、機能的に落ちてくる時期にどう維持していくか、どう生活の質を担保していくかということが難しいと思います。
病気が進行してくると人工呼吸器の選択を迫られますよね。進行の早い方であれば、発症してからあれよあれよという間に選択を迫られることもあります。身体が動きにくくなってから1年程度で判断を迫られるとなればすごく難しいですよね。
私自身様々な方と出会わせてもらいました。家族さんが悩まれたり、ご本人が悩まれたり様々なケースがあります。個人的な印象としてはやはり生きていてほしいと家族さんが思う、生きたいとご本人が思うことで人工呼吸器を選択する方が多いように思います。以前、ALSの女性が安楽死を依頼し、受託殺人が成立するという事件もありました。ご本人が依頼した形でしたが、残された家族さんがこうなることを望んでいなかった結果が悲しい事件でしたね。
先日文献を読んでいると人工呼吸器を選択するかしないかで痛みや副薬量がどう変わるのかとううものがありました。意外だったんですが、人工呼吸器を選択しない方が痛みが強く、痛みに対する副薬量が増える傾向があったようなんです。これは選択しない方の方が死に対する恐怖が強いことが起因するそうです。なんだか意外じゃないですか?
「選択しない=最期をしっかりと過ごす」という考えの方が多いのかなと思っていました。しかし、実際は呼吸困難感などから迫りくる死の恐怖に対して不安が強い方が多いようです。結果、不安が強くなり、痛みを感じやすくなり、それに対する薬の量も増えるようです。
もちろん周囲との関係性もあると思います。周囲も納得して決めていれば周囲と最期の時を過ごせるかもしれませんが、周囲が一日でも長く一緒にいたいと思う中、ご本人が頑なにつけない場合であれば周囲とうまく最期を過ごせないのかもしれません。
もちろん人工呼吸器に対する選択に正解も不正解もありません。人それぞれです。
しかし、やはり最期はその人がその人らしく、痛みなど不快なものが少なく過ごしてもらえればと思います。ベストな答えはないと思うので、どうしていくのがベターなのかを一緒に考えながら私たちは日々臨床に取り組まないといけないなと感じます。
ではでは。