作業療法つぶやきブログ

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現役作業療法士(OT)のブログ。不定期週2回12時更新。カテゴリー一覧はスマホの方はページ下部へどうぞ。

【感染】N95マスクに変わるKN95マスク?医療現場でも使われるか?

こんにちは。

 

海外では新型コロナウイルスのオミクロン株が猛威をふるっています。

マスク着用なしも増えていた海外でも情勢が変わってきたようですね。

今回はマスクの一つであるKN95マスクについて取り上げます。

 

●KN95マスクとは


 

KN95は中国の規格に準じて作成されたマスクです。

中国の規格と言っても、フィルタ性能的にはN95と同等の基準をクリアしたマスクであるため、効果はN95と同等といも言われています。

 

特徴は安価で高性能、サージカルマスクと同じようにかけられるということらしいです。

こちらはアメリカの規格に準じたマスクです。


 

画像の様なタイプもあるようですが、頭部と後頭部に引っ掛ける部分を持つものが一般的かと思います。

 

値段は見比べてもらうと同じような価格でも100枚入りと20枚入りと大きく枚数が変わり、マスク1枚当たりの単価はKN95マスクが安いです。

それで性能が同じであれば値段に対して性能が良いということになりますね。

 

また、サージカルマスクと同じように装着できるということで手軽に使用することも魅力の様です。

ただし、サージカルマスクと同じという事は従来のN95マスクと同じように長さ調整ができないものもあるかもしれません。

 

コロナウイルス対策では顔に密着するものを使用しますが、長さ調整できなければ、病棟で使うのは感染リスクが高まるかもしれません。

一方でサージカルマスクタイプであれば、耳の痛みは軽減されますし、息苦しさが減り、日常生活で使用しやすいです。

 

●高まる(K)N95マスクの需要

オミクロン株の感染者数増加に伴って、N95マスクの需要も高まっています。

アメリカのコネティカット州計600万枚のN95マスクを希望者に配布すると発表しました。

 

また、マスク製造会社によるとオミクロン株が増加した2021年12月中旬からKN95マスクの需要が12月中旬以降に3倍近くに増加したそうです。

 

オミクロン株が流行してきた場合、私たちの周りにもKN95マスクが増えるかもしれませんね。

尚、サージカルマスク(不織布マスク)でも一定の効果は言われています。

rihaot.hatenablog.com

 

コロナ病棟ではなく、リハビリ場面でもKN95マスクを装着してのリハビリはあるのでしょうか?

個人的にはKN95マスクの付け心地が気になります。

N95マスクは非常に痛かったので…。

rihaot.hatenablog.com

 

 

ではでは。

【感染】リハビリできずに退院させられる病院が増加するかも

こんにちは。

 

回復期リハビリテーション病棟に入院された方は1日最大3時間のリハビリを半年近く受ける方もいると思います。

ですが、新型コロナウイルス拡大によりこの状態が崩れた病院もありました。

今回はそんな話題について取り上げます。

 

新型コロナウイルス蔓延でリハビリ病棟の病床数が減少

Mattress, Bed, Pillow, Sleep, Relax, Relaxation, Rest

新型コロナウイルスが猛威をふるっていた東京オリンピック前後にそれは起きました。

新型コロナウイルス患者を入院させるために回復期リハビリテーション病棟の病床数を減少させ、新型コロナウイルス病床に転換する方針が病院でとられたのです。

 

しかも約半数がコロナ病床に変わりました。

 

リハビリ専門の病院では同じ現象はありませんが、この病床数減少が起こったのは総合病院

 

つまり、治療を優先するためにリハビリの優先度が下げられたということですね。

当時は感染者の数も全国的に多かったので致し方ない部分はあると思います。

 

しかし、リハビリ病床が減るという事は様々な面で影響が出てくるので、次で見ていきます。

 

●どのような影響が出るか

①早期退院

まずは早期退院です。

本来であれば急性期→回復期の流れでリハビリが行われますが、回復期病床が空いていなければ時期がくると退院しないといけません

 

回復期であれば急性期より数か月長くリハビリを受けることができますが、それができないです。

身体が改善しきっていない状況での退院を余儀なくされるかもしれません

 

また、地元の病院で受けられるはずだったリハビリが遠方の回復期リハビリテーション病院で受けないといけなくなるかもしれません。

地元なのかそうでないのかは病気や怪我直後で参っている不安を助長するかもしれませんし、人によっては悪い影響が起こる可能性もあります。

 

②セラピストが余る

回復期リハビリテーションは人を割いて長時間リハビリを手厚くできる部分がメリットです。

ところが患者さんが少なくなれば、理学療法士作業療法士言語聴覚士が余ってきてしまいます。

 

そうすると実績にも影響が出ますし、利益が減れば、ボーナスカットや新しい人材を雇ってもらえないことに繋がります

 

患者さんだけでなく、現場で働く人間にとっても悪いことが起きてくるかもしれません。

 

セラピストは急性期などでの介入の仕方をもう一度再考する形になると思いますが、では患者さんにはどういった対策が必要でしょうか?

 

●退院後の対策が重要

「足で稼ぐ女性営業マン」の写真

患者さんには早期退院後の対策が必要です。

例えば、介護保険を早めに申請しておき、デイサービスなど通所系サービス、訪問リハビリなど訪問系サービスへの柔軟な切り替えが重要です。

場合によってはショートステイなども必要かもしれません。

 

他職種で連携して患者さんの不利益にならないようにしながら、困難な状況を乗り越えられるようにしていきたいですね!

 

外国のような制度も必要なのかもしれません。

rihaot.hatenablog.com

 

ではでは。

あけましておめでとうございます

あけましておめでとうございます!

 2021年が終わり、2022年が始まりました!

年越しのあいさつは2回目ですが、前回はブログ開設一ヶ月でした。

 

今回はブログを初めて丸一年行い、迎えた年越し。

また昨年とは違う気持ちで皆様にご挨拶させて頂いています。

 

一年間ブログを行い、大変な時期もありましたが、色々なことを発信し、様々な方々に読んで頂くことができました!

読んでもらえることが一番の励みになります。

ありがとうございます。

 

今年も一年色々な話題を皆様にお届けできればと思います。

皆様にとってより良い一年になりますように。

今年もよろしくお願いします!

 

ではでは。

【健康・リハビリ】認知症新薬の頓挫~夢の新薬・リハビリには時間がかかる~

こんにちは。

 

半年前にご紹介した認知症新薬「ADUHELM(アデュカヌマブ)」。

rihaot.hatenablog.com

認知症に対する新薬として期待されましたが、治験の結果から薬の認可が先送りとなりました。

どうした点が問題となったのか、当面のリハビリについて見てきます。

 

●おさらい:アルツハイマー認知症のメカニズム

アルツハイマー認知症に関係するのは「アミロイドβ(タンパク)」です。

これはいわゆる脳の老廃物で通常は排出されているのですが、異常で大きなものが溜まり始めると脳細胞の周囲に存在し、脳細胞を死滅させてしまいます。

認知症が発生する20年ほど前から溜まり始め、脳細胞が死滅していくのにあわせて徐々に物忘れなどが生じてきます。

生活習慣なども関わるので、アミロイドβだけが悪さをしてアルツハイマー認知症になるというわけではないのですが、大きな要因として扱われています。

 

●おさらい:新薬の効果とメカニズム

米国でのアデュカヌマブ迅速承認で広がる波紋と懸念、そして日本導入への課題:日経バイオテクONLINE

出典:https://bio.nikkeibp.co.jp/atcl/column/16/100400036/061400015/

今回登場した、「ADUHELM(アデュカヌマブ)」はこのアミロイドβタンパクの脳内蓄積を減少させる薬です。

従来の薬ではアミロイドβに直接作用するものはありませんでした。

 

治験では1000人を超える認知症初期患者やアルツハイマー認知症患者が参加し、いくつか行われた治験のうちの1つで1年半の投与で「認知機能低下を22%抑制できた」という結果が出ました。

その際いくらかアミロイドβの減少を確認できたようです。

 

今回の問題はもう一つの治験で起きました。

そちらも確認してみましょう。

 

●治験で起きた問題

問題点は大きく3つありました。

①二つの試験の結果に一貫性がない

brown wooden i love you letter

前回の治験では1年半の投与で22%抑制できたというデータが出ました。

しかし、今回は薬を投与した場合としなかった場合で差がないデータも見られたため、一貫性がないということが問題となっています。

 

②Aβ低下と症状の進行抑制との関連が不明確

今回の治験では神経細胞の働きを失わせるアミロイドβが減っても認知機能の進行抑制ができない患者もおり、アミロイドβ認知症予防関連性が十分でないとされました。

アミロイドβの減少こそが認知症予防になる!」というデータを突き付けられないと今後も簡単には承認がおりないかもしれません。

 

③投与により脳の浮腫や微小出血などがみられる

shallow focus photography of prescription bottle with capsules

治験を受けたグループの約35%に浮腫、約19%に微小出血を認めたようです。

効果に対してリスクが高いというデメリットが今回承認見送りの一因となってしまいました。

 

●今後と認知症リハビリ

バイオジェンとエーザイは追加の治験を22年に始め、主要な評価を終えるまでに4年を見込んでいます。

薬として使われるようになるのは最短でも数年かかりそうですね。

 

しばらくはリハビリも今の手法を続けていくことになりそうです。

・ユマニチュード

・バリデーション

・回想法

・コグニサイズなど

多くの技法を組み合わせてその人に合わせた対応をしていく。

 

今後も「人」を見てしっかりとした対応をしていきたいですね。

 

ではでは。

【リハビリ】優雅な次世代リハビリ~ホテル滞在型リハビリプランとは~

こんにちは。

 
医療保険介護保険にとらわれないリハビリが増えています。
いわゆる自費リハビリですね。
今回は数ある自費リハビリでも従来のリハビリ施設で行うものと違うホテル滞在型リハビリプランについて取り上げます。
 

●ホテル滞在型リハビリプランとは

リーガロイヤルホテル東京 - 宿泊予約は【じゃらんnet】
ホテル滞在型リハビリプランとはリーガロイヤルホテル東京脳梗塞リハビリセンターが手掛けるホテルに宿泊しながら受けるリハビリ」です。
 
案内にはこのようにありました。
「カウンセリングで現状の確認と目標設定を行い、身体のコンディション・バランスを整える鍼(ハリ)とリハビリの組み合わせで、機能改善をサポートいたします。お帰りになる前に、ご自宅に戻った後のトレーニング指導までいたします。」
 
要するにホテルにいながら集中的なリハビリを行い、機能改善を図り、自主トレも提案してくれるといった内容の様です。
 

●値段

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気になるプラン一覧とお値段はこちら

ショートプラン  2泊3日 260500円
鍼灸1時間+理学療法士(または作業療法士)によるリハビリ1時間(計2時間)』×3回

基本プラン  6泊7日  537500円
鍼灸1時間+理学療法士(または作業療法士)によるリハビリ1時間(計2時間)』×5回

長期プラン 1ヶ月  29泊30日 2230000円
鍼灸1時間+理学療法士(または作業療法士)によるリハビリ1時間(計2時間)』×20回

 
第一印象はすごい金額ですね。
ただ、このホテル、リハビリプランで使用する部屋はバリアフリージュニアスイートルームで一泊なんと約70000円~!
 
高級ホテルなので、宿泊費の最低金額を差し引くと

ショートプラン  2泊3日 120500円(リハビリ1日約4万円)
基本プラン  6泊7日  117500円(リハビリ1日約2万3千円)
長期プラン 1ヶ月  29泊30日 200000円(リハビリ1日約1万円)

 
長期の方がリハビリ回数が多いので、1日当たりのリハビリ代は長期プランの方がお得になっています。
 
長期プランのような鍼灸1時間、リハビリ1時間で1日1万円は自費リハビリを考えると安いプランかもしれませんね。
 
例えば、脳梗塞リハビリセンターの訪問リハビリの自費は40分税抜10000円なので、2時間で1万円は安いと思います。
 

●今後普及してくるか

第一印象としては「高い」と感じました。
リハビリの単価だけで見ると一番長期のプランは他の自費リハビリよりお得です。
 
ただ、滞在費とあわせると高い。
 
一番安い26万円でも自費リハビリであれば10回以上通えるところが多いです。
ホテル代があるとはいえ、それが数回のリハビリで超えてしまうのですから高いと言わざるを得ません。
 
少し浮世離れしており、一般的な家計のところでは手が出せないと思われます。
高額なため、今後、普及してくるとは思えません。
ただし、新しい形のリハビリではあります。
 
もしかすると理学療法士作業療法士が働けるステージは今以上に拡大してくるかもしれません。
 
アンテナを張りながら自分のやりたいステージを探していきましょう!
 
ではでは。