作業療法つぶやきブログ

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現役作業療法士(OT)のブログ。不定期週2回12時更新。カテゴリー一覧はスマホの方はページ下部へどうぞ。

【感染症】コロナウイルスでの偏見

こんにちは。

最近コロナウイルス関連ばかりですみません。ただ、それだけ社会問題になってるワードかなと思います。
今日は日本看護管理学会の出した声明を取り上げます。

「国民の皆さま、ナースが危機を迎えています。コロナウイルスに感染した患者さんの最も近くにいるのはナースです。この長期戦の中、ナースは身も心も疲弊してきています。

コロナウイルス感染患者が増加すると、看護管理者は、一般の病棟を一旦閉じてコロナ対応病床にナースを移動させるしかありません。ナースたちは、今まで自分が看護してきた患者を同僚に預け、コロナ病棟に向かいます。
ナースは 防護服を着ているとはいえ、患者の頬に付くくらいに顔を寄せ患者の声を聞き、孤独に苦しむ患者の手を握り、時には尊厳ある死を迎えられるように寄り添います。ナースは、家族も面会できない患者の一番身近くで、患者の生命と生活を守るのです。」

まさしく私の職場でもこの状況になっていると思います。看護師でも感染者が出ると違う病棟から応援に行き、応援を出した病棟でも通常業務が難しくなっています。本当に人が足らず、リハ職が食事の配膳を行うというような状況にもなってきています。
更に続きがあります。

「私たちは自分の仕事を全うするだけですので、感謝の言葉は要りません。ただ看護に専念させて欲しいのです。差別や偏見はナースに対してフェアな態度でしょうか?なぜナースたちは、看護していることを社会の中で隠し、テレビに出るときにはモザイクをかけなければならないのでしょう。これでは、潜在しているナースも復帰をためらいます。
皆さまには、ご自分の健康と医療現場を守るため、なお一層の慎重な活動をしていただきたい。医療専門職として、感染予防には留意しております。私たちを偏見の目で見ることはやめていただきたい。また、もしも一旦仕事から離れている私たちの仲間が、看護の仕事に戻ってこようと思うときには、周囲の方にはぜひご理解いただき、この窮状を救う意志のあるナースを温かく送り出していただきたい。」

ただ看護に専念させてほしい。
この言葉に胸を打たれます。ここ数週間の私の体験ですら、コロナウイルスが出ている職場で働いているからと偏見の目で見られ、子どもの保育園でも登園の相談をしなくてはいけなくなりました。地域の会議では代理をたててくれとも言われます。買い物に行くのも後ろめたくなり、行く行かないだけで喧嘩になることもあります。幸い、保育園はPCR検査の結果待ちの間以外は預かってくれているので、私たちはまだ恵まれている方かもしれません。場所に寄っては全く預かってくれないところもあると思います。
ここ数週間で色々ありましたが、これが数ヶ月ともなると凄まじいストレスだと思います。
コロナウイルスが蔓延した職場に勤務していても普通に勤務し、普通に買い出しに出れるそんな世の中であってほしいと思います。
最後に最前線で働かれている医師、看護師、その他スタッフの方々にお礼を申し上げて終わりたいと思います。


詳細はこちら

「涙が出てしまった」「国民全員読んで」 日本看護管理学会が悲痛な想いを訴える – grape [グレイプ]


ではでは。

【脳画像】脳画像の基本 MRI 2

こんにちは。

 

今日は脳画像の基本 MRI 1の続きを書きたいと思います。T1強調画像、T2強調画像、FLAIR、DWI(diffusion weighted image)の特徴について今日は書いていきます。

 

◎T1強調画像

脳の解剖学的構造を検出するのに優れます。脳の萎縮についても確認しやすいです。

・脳実質は灰色(等信号) 髄液は黒色(低信号)

・梗塞巣の検出には6~8時間

 

◎T2強調画像

炎症や脱髄、腫瘍病変の検出に優れます。

髄液は白色く写ります。一方で髄液周囲の鑑別は困難です。

 

◎FLAIR

T1同程度の解剖学的な構造を描出可能で、T2より脳室周囲の梗塞巣の検出に優れます。

・髄液を黒く(低信号に抑制)したT2強調画像   

・梗塞巣は発症3,4時間で検出可能

・梗塞巣の急性期~亜急性期は高信号(白)

・梗塞巣の慢性期は低信号(黒)



◎DWI(diffusion weighted image)

超急性期の脳梗塞も検出可能です。(発症1~2時間で検出可能)

・水分子の拡散(自由に動くかどうか)を検出

・動きが遅いと高信号

脳梗塞が起こると細胞内に入ってくる水が増加し、水分子の自由度が低下すること 

 で、高信号になります。 

 

以上が4種類の説明です。

まとめると、

新しい脳梗塞→DWI

古い脳梗塞→FLAIR

吸収された古い脳梗塞→T1

脳腫瘍など→T2

 

また、参考にしながら普段の臨床に活かしてもらえればと思います。

ではでは。

 

過去記事はこちら

 

 

rihaot.hatenablog.com

 

 

【脳画像】脳画像の基本 MRI 1

こんにちは。

 

今日は脳画像の見方MRI編です。

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まず、MRIの原理からいきたいと思います。

MRIとは日本語では磁気共鳴画像法といい、Magnetic Resonance Imagingの略です。

水素原子核(プロトン)に反応し、画像を描出します。

 

CTと比べ、分かりにくい部分もあるのですが、

MRIプロトンのエネルギー放出~元に戻る状態をベクトルで検出

 (スピンの方向を検出)

・原子量の大きい脂肪や血液などはエネルギー吸収が早い(元に戻るのが早い)

・原子量の小さい水(H₂O)などはエネルギー吸収が遅い(元に戻るのが遅い)

 

これらの状態を条件により見え方(検出の仕方)を変化させてT1、T2などの画像が得られます。

画像の種類としてはT1強調画像、T2強調画像、FLAIR、DWI(diffusion weighted image)があります。こちらについては次回詳細を記載します。

 

CTとの違いですが、このようになります。

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よくCTとMRIのT1強調画像がどう違うのかということも話題に上がりますが、頭蓋骨部分が白く写るのがCTとなります。

 

簡単に特徴についてまとめました。次回は前述のとおり、T1強調画像、T2強調画像、FLAIR、DWI(diffusion weighted image)について記載します。

ではでは。

 

過去記事はこちら

rihaot.hatenablog.com

 

【感染症】コロナ下での看護師さん

こんにちは。

コロナがおさまらず、当法人はバタバタしております。今まではニュースなど外部の情報しかなかったですが、中から見たときの看護師さんの動きなど見ていきたいと思います。

まず、元々コロナ患者さんを受け入れていた病棟ではレッドゾーン(感染するリスクが高い場所)は防護服など感染対策をしながら看護をしています。受け入れ病棟のイエローゾーン(レッドゾーンよりは安全だが、感染リスクのある場所)では手袋や医療用エプロンを使用して感染対策しています。もちろん職員の検温などの体調管理も行い、こちらでは感染者を出さずに過ごせています。感染対策しているとはいえ、クラスターを出していないのは全国の病棟含め、すごいなと思うばかりです。

一方、コロナ患者が頻発している病棟ではコロナ患者とわかれば、コロナ受け入れ病棟へ移送し、同室者はその部屋で他患者と隔離しながら看護や介護を行っています。しかし、感染はおさまっていません。受け入れ病棟でない病棟では防護服などが十分になく、同室者にも手袋や医療用エプロン、ゴーグル、マスクで対応していることがあります。装備含め感染予防の徹底した訓練を受けていないことが原因なのかは分かりませんが、残念ながら感染は拡大しています。手洗いやうがいなど標準感染予防策も行っていますが、中々封じ込められていません。
無症状で検査してみたら陽性の方も多く、インフルエンザやノロウイルスなどと比べて、感染の抑え込みの難しさを痛感します。

職員が発症すると看護師間で一気に接触者が増え、病棟も動きがにぶってしまっています。次々に離脱していく看護師さんたち。リハ科でも介助で少し支援できる部分もえりますが、代わりにはならないので、難しいですね。

早く全国で事態が沈静化することを願うばかりです。国民の6~7割が抗体をもてぱ、パンデミックがおさまってくるそうです。安全なワクチンも早く出回りますように。

ではでは。

Go To トラベルと医療費

こんにちは。

今日は年末年始中止されたGo To トラベルについて取り上げます。
おさらいしておくと、7月の第1弾では宿泊料金一泊当たり35%(最大2万円、7泊まで)、日帰りでは一日1万円を上限に旅行代金を公費で補助するというものでした。10月からの第二弾では第一弾に加え、宿泊や日帰り料金に対しての15%分の地域共通クーポンを公費で発行し、旅先で使用してもらい、経済を回してもらおうというものでした。
予算の総額は、約1兆1,250億円10月15日までに約1400億円が使用されたようです。開始から9月15日までの2か月が約735億円だったことを考えると、秋頃からは徐々に旅行が加速していったことが分かりますね。このペースでいけば開始から2000億円規模では使用されたのではないでしょうか?

桁が大きくて、ピンとこないかもしれませんが、1兆1250億円とはすごい金額ですよね。
厚労省によると2013年に医療費総額は40兆円を超え、2017年には43兆円にも昇るそうです。うち85歳以上男性の入院費にかかる公費は1兆円だそうです。かなり高齢な男性の入院費をまかなえるほどの財源を出していることには驚きます。
ちなみに昨日も取り上げた訪問看護関係の年間の公費負担は2017年度で約2000憶です。

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訪問看護ステーションからの訪問リハビリの単位を引き下げる、上限をかけるという話が出ていますが、Go To トラベルのお金をもし回してくれていたら6年程度はまかなえる額なんですよね!

もちろん、様々な事業者に回しているお金をすべて訪問関係にとは言えません。しかし、これだけコロナウイルス感染拡大の一因になったかもしれないお金の使い方はもっとうまくするべきだったのではないでしょうか?しかも、感染拡大は国がおさえたい、医療費の増加につながるかもしれないですしね。
重箱のすみをつついてお金を下げていこうとする国のやり方が果たして正しいのか?すみをつつくことも大切とは思いますが、もっと大きい部分でもちゃんと考えていってほしいですね!本当に!

医療費についてはこちら

https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/k-iryohi/17/dl/toukei.pdf

ではでは。