こんにちは。
身体を動かすと筋トレになります。
筋トレは筋肉にはもちろん、骨にも影響があると研究で示されました。
どのような効果があるのでしょうか?
●文献
今回ご紹介するのは「Strength training builds more than muscles(筋力トレーニングで鍛えられるのは筋肉だけではない)」という2024年1月に掲載された外国の記事。
このハーバードの記事ではアメリカでは推定800万人の女性と200万人の男性が骨粗鬆症であることに触れ、現代社会の大きな問題として取り上げています。
また、骨粗鬆症は毎年200万人以上の骨折の原因となっており、今後、アメリカでもこの数が増加すると予想しました。
最も深刻なのは股関節の骨折で、股関節を骨折した人の10人中6人は以前のような自立した生活を完全に取り戻すことはできていません。
そうなると介護が必要となり、現役世代にも大きな負担がのしかかります。
そこで、筋力や骨密度を保つことが重要なのですが、この2つはリンクしているようです。
●骨量の減少
人はいつごろから骨がもろくなるでしょうか?
通常、加齢に伴う変化、運動不足、栄養不足が重なってくると、40歳以上から年間1%の割合で徐々に骨量が減っていくと言われます。
骨量が減ると、ちょっとした転倒や前かがみになるなどあまり目立たないストレスでも骨折しやすくなってしまいます。
そこで大事なのが運動。
運動は骨と筋肉を強くし、転倒による骨折を未然に防ぎます。
では、そのような運動が骨量増加にも有効なのでしょうか?
●骨粗鬆症に対する運動療法
骨を強くする運動でまず言われるのは有酸素運動。
歩く、ジョギング、水泳など、心拍数が上がる程度の運動は骨密度を増加させる効果があるとされました。
また、ほかに言われるのが、筋力トレーニング。
ウエイトトレーニングなど負荷をかける筋力トレーニングでは、筋肉を鍛え骨の形成を促進する効果があるとされます。
また、上記2つほど骨が強くなるわけではないですが、バランストレーニングも転倒予防効果で骨折しにくくなる利点があります。
運動強度は年齢などにもよりますが、大事なことは骨に負荷をかけること。
散歩でも脚に荷重がかかりますし、筋トレも動作する部分の骨に負荷がかかります。
高齢者の場合、自分の身体にあわせて負担を調整していかないといけませんが、うまく調整して活動できれば、骨も筋も強化され、最大の効果を得られます。
その運動内容を考えるのが、リハビリの仕事になるかもしれません。
いかがだったでしょうか?
リハビリでの運動で筋肉だけでなく、骨にも良い影響を与えられます。
加齢とともに衰える骨も骨折予防の観点から重要な視点です。
今回のことも頭に入れつつ臨床に取り組みましょう。
それではまた次回の記事でお会いしましょう。